“円”や“グラム”など、日本式の単位にこだわりがあれば、円建て金に連動する商品

 以下は、円建て金の指標の一つである大阪金先物と相関係数が高い上位10銘柄です。

図:大阪金先物と相関性が高い金関連の投資商品

出所:各種資料をもとに筆者作成
※相関係数は1月6日から12月23日までの期間で算出
※最低投資金の額は2020年12月23日時点
※海外ETF・産金株の最低投資金算出時、ドル/円は103.63円とした

 上位銘柄は、円建て金の価格に連動する設計、あるいは円建て金そのものであるため、大阪金先物との相関係数が非常に高くなっています。投資信託は“為替ヘッジなし”の方が、大阪金先物との相関係数が高くなっています。

 “ドル”や“トロイオンス”などの単位になじみがなかったり、“円”や“グラム”にこだわりがあったりする場合は、ドル/円の動きが介在することを許容しつつ、円建て金の指標(大阪金)と相関性が高い銘柄を選ぶのがよいと思います。

 相関係数1位の金スポットは、取引期限のない商品先物銘柄です。最低取引単位(1枚)の最低投資金は2万7,000円ですが、およそ63万円分の資金が動く、実質的に23倍程度のレバレッジ(てこの原理)が効いている、資金効率が高い取引です。(各数字は2020年12月23日時点)

 このため、思惑通りに相場が動けば、利益は他の金関連の銘柄に比べて大きくなりますが、思惑に反して相場が動けば、預けた以上の損が発生する場合もあります。資金に余裕を持って、取引することが重要です。

 2位の「SPDRゴールド・シェア、国内ETF(1326)」、3位の「純金積立」は、いずれも人気の金(ゴールド)関連銘柄です。特に純金積立は、投資初心者の方がはじめて手掛ける投資商品として、なじむと筆者は考えています。

 純金積立は、金(ゴールド)に興味があってもなくても、投資初心者の方にはうってつけだと、筆者は感じています。取引のルールや取引画面内で使われている言葉に、難解な横文字(カタカナやアルファベット)が、他の投資分野に比べて少ないと思うからです。

 取引の仕組みそのものもシンプルです。難解な言葉が比較的少ないことや仕組みがシンプルである点は、投資を学ぶ第一歩を踏み出す際に、非常に重要な要素だと思います。“投資に慣れる”ための導入過程として、純金積立に取り組んでみるのも、良いのではないでしょうか。