世界の金価格の指標により近い値動きを望むのであれば、ドル建て金に連動する商品

 ここからは、指標となり得る国内外の商品先物市場の金(ゴールド)と、長期投資になじむと考える金関連商品の相関係数※に注目します。

※相関係数とは、2つの銘柄の価格の関係を数値化したもので、+1と-1の間で決まります。+1に近ければ近いほど、“同じように動く”、“高い連動性”があることを意味します。以下の図に登場する+0.99などは、2つの銘柄の価格の連動性が “非常に”高いことを意味します。

 ドル建て金の指標(世界の金価格の指標)の一つであるNY金先物と相関係数が高い上位10銘柄は、以下の図とおりです。

図:NY金先物と相関性が高い金関連の投資商品

出所:各種資料をもとに筆者作成
※相関係数は1月6日から12月23日までの期間で算出
※最低投資金の額は2020年12月23日時点
※海外ETF・産金株の最低投資金算出時、ドル/円は103.63円とした

 上位2銘柄はいずれも、もともとドル建て金の価格に連動することを目指した設計になっているため、NY金先物との相関係数が非常に高くなっています。

 投資信託の“為替ヘッジ”は、海外関連の銘柄を円で取引する際に為替(ドル/円)の値動きを考慮することを意味します。3位と4位の“為替ヘッジあり”の投資信託が、9位の“為替ヘッジなし”の投資信託に比べて、NY金との相関係数が高くなっているのはこのためです。

 世界の金価格の指標(ドル建て金)により近い値動きを望むのであれば、できるだけNY金と相関性が高い銘柄がなじむと思います。

 例えば、海外ETF、投資信託(為替ヘッジあり)のどちらを選ぶ? という問いがあるとすれば、その答えを導き出す上で、最低投資金の額のほか、取引画面上の価格の単位がドルであることになじめるかどうか(海外ETFの単位はドル)、積立取引ができるかどうか(投資信託はできる)、楽天スーパーポイントで投資できるかどうか(投資信託はできる)、これまでの投資のご経験(外国株や海外ETF、投資信託の取引経験がある・ない)などが、判断の決め手になるのではないでしょうか。