せっかく、やる気になって株を買ったものの、株価が下がり、損が発生してしまうとモチベーションは急降下です。もちろん相場ですから、翌日の株価が上昇して利益になることもあれば、さらに損失が拡大してしまう可能性もあります。
このように、株を売却しない限り、利益や損失が日々増減するわけですが、これを「評価損益」といいます。そして、株を売却して手仕舞った時点で確定する損益を「実現損益」といいます。信用取引でも同じように、建玉を保有しているあいだの損益が評価損益、返済時に実現損益となるわけですが、信用取引には「評価損益率」と呼ばれる、損益に注目した指標が存在します。
正確には、「2市場信用買い残高の評価損益率」と言うのですが、言葉の通り、信用買い建玉を保有している投資家がどれくらいの損益になっているのかをパーセント(%)で表したものになります。原則として毎週水曜日に東京証券取引所が公表している「信用取引残高」の数値をベースに算出され、日経新聞では翌日の木曜日の朝刊に掲載されています。
実は、この信用評価損益率は株式市場の天井や底を示す目安として使われることが多いです。下の図は日経平均(週足)と評価損益率(2市場)の推移を示したチャートです。
日経平均(週足)と評価損益率(2市場)の推移(2012年1月~)

(市場データを基に筆者作成)
上の図は2012年1月からの推移です。評価損益率は右目盛ですが、数値の範囲がプラス5%~マイナス25%となっていることが判ります。さらに過去に遡っても、概ねこの範囲内に収まっています。また、基本的に評価損益率はマイナスであることがほとんどです。これは、利益が出ている建玉から返済されやすいからです。プラスになることはあまりありません。
また、評価損益率の一般的な見方は以下の通りです。
- 通常はマイナス3%~9%ぐらいで動く
- ①の範囲からプラス方向ほど買いが強い、マイナス方向ほど売りが強い
- マイナス10%あたりから追証が出始め、売り加速に警戒
- マイナス20%あたりで底を打つことが多い
改めて図を見てみますと、信用評価損益率と日経平均の動きはある程度連動しており、「そろそろ天井(底)が近いかも」といった目安としては使えそうです。ただ、「○%になったから買い(売り)」など、実際の売買のタイミングを捉えるには正直微妙で、別の指標と併せてチェックした方が良さそうです。そのため、評価損益率は値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率で相場の過熱感を探る指標である「騰落レシオ」に似たイメージと言えます。
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