大統領選通過後の相場はどうなる?
11月相場は、S&P500は月初は強くスタートして、12日ごろにいったん下げは収まる。そして、残存取引4日ごろから反発に向かう。一方、日経平均は10月末から11月いっぱいは堅調に推移する。それが11月相場のアノマリーで、過去11年のデータでは6割から7割の確率で月間の騰落率はプラスになる月だ。
NYダウ(日足)
日経平均(日足)
大統領選挙日後の株式市場はどうなるのであろうか? 下の米著名投資家ラリー・ウィリアムズが過去の大統領選挙当日を挟んだ株式市場の動きを平均化したグラフを確認してみよう。赤い線が大統領選挙日である。
これを見ると、大統領選挙後の相場は買い展開になっていることがわかる。しかしながら、大統領が民主党候補か共和党候補かによって、選挙後の相場の軌道は大きく異なっている。今回の大統領選挙はバイデン(民主党候補)勝利だが、民主党勝利の場合は株はさほど上がっていない。
バイデン(民主党候補)が当選した場合
トランプ(共和党候補)が当選した場合
大統領選挙はトランプが訴訟で選挙を無効化するという可能性はわずかながら残されているものの、例年のパターン通り、バイデン勝利に敬意を表したバイデンラリーが展開されている。誰がなっても、米大統領選挙の後は、通常、株が上がる。今年もこのパターンとなっているが、バイデンラリーの賞味期限はせいぜい半年程度であろう。
米大統領選挙年のNYダウのシーズナリーサイクル
何しろ、現在の相場は、米民主党が米国を「社会主義政策」で運営しようと思っていることを全く織り込んでいないからである。バイデンの健康状態にもよるが、ここから4年以下に社会主義政策を前面に押し出すカマラ・ハリスが大統領に昇格する可能性がとても高くなっている。そうなれば、米国経済はよくて「日本化」、最悪は「資本主義の巻き戻し的なクラッシュ」が想定される。
米国大統領・議会選挙の結果とマクロシナリオ
米民主党政権の社会主義政策の毒が相場にまわってくるのは、批判や民主党の分裂が始まる大統領就任半年以降だろう。それまでが株高の賞味期限だ。ただし、米国株式のバリュエーションは過去のバブル期と比較しても相当高い水準にある。この相場はバブルと割り切って参入しなければならない。
バフェット指標
GDP(国内総生産)に対する金融資産