米国の景況感は、わずかに改善

 米国でも、徐々に経済が再開されつつあることを受けて、景況感がわずかに改善しています。

米ISM製造業・非製造業景況指数::2019年6月~2020年5月

出所:米ISM供給公社

 5月は製造業・非製造業ともに、景況感が改善しました。ただし、まだ景況判断の分かれ目である50を下回っています。

最大の悪材料は、米中対立の再燃

 コロナ後を考えると、株式市場の最大の悪材料は、米中対立の激化だと思います。現在、世界を苦しめている新型コロナウイルスは、たぶん、1年後には先進国では終息に向かっていると思います(新興国ではさらに長引くかもしれません)。

 ところが、米中対立は、終息しません。20世紀後半の米ソ冷戦のように、50年は続くと考えられます。米中対立がもたらす、世界経済の分断は、世界経済に長期にわたり暗い影を落とすことになるでしょう。ちょうど、新型コロナの流行で、グローバル分業が高リスクだと、多くの国が思い始めているタイミングです。ここに、米中対立による分断が加われば、グローバリズム(国際的な協業・分業の推進)はかなり後退することになるでしょう。
 コロナ以上に、米中対立の激化に注意が必要と思います。

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