それでも、短期的には世界景気に追い風

 これから始まる、米中「第2段階合意」を目指した交渉は、さらに難航するでしょう。補助金を使って成長分野のトップシェアを一気に取る戦略の禁止などが議題になると考えられるからです。中国の「国家資本主義」の根幹をなすだけに、中国側はいっさい譲歩しないでしょう。

 さらに不安があります。中国が第1段階合意を遵守していないという話が出るのは、時間の問題でしょう。そうした話が増えると、米国は中国に追加制裁を課す検討を始めることになります。そうなると、米中対立が再び激化することになります。

 このように将来に不安のタネがたくさん残る「第1段階合意」でした。ただし、それでも、短期的には米中対立は緩和に向かうと考えられます。少なくとも、米大統領選が終わる今年の11月まで、一時的に米中対立が緩和する時期になる可能性があります。そうなると、米中対立によって抑圧されていた、5G(第5世代移動体通信)・半導体などのハイテク投資が世界的に盛り上がり、世界景気が回復に向かうことになるでしょう。

 2020年前半は、米中対立の緩和、世界景気回復を織り込む、世界株高が続くと考えています。日経平均は年央に2万6,000~2万7,000円に達するとの予想を継続します。日本株については、配当利回り4~6%の大型高配当株から投資していくべきと考えています。

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