リスクシナリオを念頭に、経済環境とは別軸で為替の動きを見る

 以上のように、2020年も政治要因の比重が高まってきそうです。政治リスク、地政学リスクがもたらすリスクシナリオを念頭に置き、経済環境とは別の大きな流れの中でも為替の動きを見ていく必要があります。

 政治リスクは突然起こる場合、避けようがありませんが、事前にリスクを予想し、そのリスクが高まってくる場合は対応する準備ができます。ただ、その場合、注意すべきは「噂で買い、事実で売る」との格言です。「リスクが実現すれば、いくら悪い話でも事前の織り込み度合いによっては逆に動く」という特有の動きに注意しておく必要があります。なかなか難しいことですが、為替の想定シナリオに、このシナリオも加えるか、加えないかでは大きな違いがあります。だからこそ、リスクシナリオとして準備しておくことが重要なのです。