“新しい時代のスタート”プラチナはリーマン・ショック直後の安値に最も近い貴金属

 セミナー資料の15ページ目の「プラチナ価格の2020年の想定レンジ」のグラフに注目した方と、直接話をする機会がありました。以前の筆者のレポート「2020年の金・プラチナ最高値をズバリ予測!」に掲載したものです。

 以下は、当該グラフを直近のデータに更新したグラフです。世界のプラチナ市場をけん引するドル建ての先物価格は、1月14日午前(日本時間)時点で、1トロイオンス973.50ドル近辺で推移しています(1トロイオンスはおよそ31グラム)。

図:プラチナ価格の2020年の想定レンジ 中心限月、日足、終値 

単位:ドル/トロイオンス 2010年1月から2020年1月まで
出所:CME(シカゴマーカンタイル取引所)のデータをもとに筆者作成

 セミナー内で、プラチナ以外に、金と銀、パラジウムの筆者が想定する2020年のレンジについて述べました。その際、プラチナは、4つの貴金属の中で、現在の値位置が、リーマン・ショック直後の安値水準に最も近いことを話しました。

 以前のレポート「不確実性が高まっている今、長期的視点で見守りたいコモディティ銘柄5つ」で述べた通り、リーマン・ショック直後の安値は“新たな時代のスタート地点”という意味があると筆者は考えています。

 現在、同安値付近で推移している銘柄は、今後、リーマン・ショック級の危機が起こらない限り、この値位置を大きく底割れすることないと筆者はみています。