5人が考える2020年の相場展望

強気相場だが“終わりの始まり”の下準備も必要?

「来たる2020年はどんな年になるのか?」は投資家全員にとって、最大の関心事といえます。「相場の予想はまったくしない」という虫とり小僧さん、「米国株にはやや過熱感があるような気もしますが、2020年がどんな年になるか分かりません。どうなるんでしょうね?」と語るrennyさんは、投資信託派だけあって、イベントや景気に振り回されず「これぞ」と決めたファンドにこつこつ積み立て投資していくスタイルはブレません。

 一方で、株式投資派の3人は「2019年に続いて2020年も強気相場が続きそうだ」と共通の予測を立てています。

 最も強気なのはDAIBOUCHOUさん。「相場予想しないのが私のポリシー」と前置きしながらも、「日経平均株価のPBR(株価純資産倍率)はいまだ1.2倍前後と安く、基本的には2020年も強気継続で臨みたい。リーマン・ショッククラスの金融危機や信用収縮は来ないと思っているので、2020年もフルポジション+αの信用取引で比較的強気に投資するつもりです」と強気の構え。しかし一方で「私が投資のターゲットにしている小型株は、局所的にバブル化することも多いので、株価の過熱感にはたえず注意を払っています」と警戒も怠りません。

 まつのすけさんは、「大局的に見ると、2020年はリーマン・ショックの大暴落が発生した、2008年から続く長い長い上昇トレンドの最後の株価上昇局面になると思います。多くの人が株式投資で安直に稼げる平穏な時期の最終段階ともいえるでしょう」と、強気ながらも、長年続いた上げ相場の終えんを視野に入れた心の準備を始めているようです。

 米国株に投資するバフェット太郎さんの読みはさらに具体的です。「引き続き2020年上半期も米国中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)による『隠れQE4』(量的緩和第4弾)を追い風に株高傾向が続く、と予想しています」

 バフェット太郎さんが指摘する“隠れQE4”とは、米国の金融機関のドル資金不足による短期金利の急上昇を受けて、FRBが2019年10月から始めた資産購入プログラムのこと。FRBはQEの再開ではない、と念を押していますが、月間600億ドル(約6.5兆円)もの資金が市場に供給されたことで、米国の株式相場が勢いづいたのは事実です。

「このQE4は2020年第2四半期までで終了する予定。そうなると好調な米国株市場も崩れ始める可能性も。特に大統領選挙後となる11月以降は米中貿易戦争の激化も予想されるため、2020年下半期のリセッション(景気後退)リスクは高い」と分析。さらに「景気サイクルに備えた投資として、金を採掘する金鉱株やデジタル・ゴールドとして注目されているビットコインなど安全・逃避資産とされる金融商品に一部、移しており、2020年も続けるつもり」といったリスクヘッジを実行しています。

 ポジティブな展開予想が多い2020年だからこそ、人気投資ブロガーたちのように、リスクに対して機敏に反応できる態勢も整えておくのが、大きく負けないコツ。それは、ピンチのあとにくる、次のチャンスをつかむための秘訣でもあるのです。

2020年に起こる投資のイベント

1月

米国議会上院がトランプ米大統領弾劾を審議

1月

米中通商交渉第一段階の合意発表予定(決裂の可能性も)

1月31日

英国がEU(欧州連合)離脱予定

2月4日

米国トランプ大統領の一般教書演説

3月3日

米国大統領選の予備選挙・党員集会が集中するスーパー・チューズデイ

6月

G7(先進主要7カ国)首脳会談が米国で開催

6月30日

消費税増税対策のキャッシュレス決済ポイント還元事業が終了

7月24日~8月9日

東京五輪開催

8月25日~9月6日

東京パラ五輪開催

11月3日

アメリカ大統領選挙・議会選挙