2019年、5人が成功した秘訣とは?

 始まる前から「2019年はとてもいい年になる」と見通していたようなエスパー投資家はどこにもいません。2019年も相変わらずの好成績を叩き出した人気投資ブロガー5人にしてもそれは同じことです。しかし、この5人の2019年投資を振り返ると、一つの共通点が浮かび上がります。それは、「信念を持って自分の投資スタイルを貫いていること」です。

 投資環境が変化しても動じず、ほとんど銘柄変更をしない“静”のスタイルを貫いているのはバフェット太郎さん、虫とり小僧さん。特にバフェット太郎さんは、「一度買ったらめったなことでは売らない」派で、米国株の絶好調にも浮かれずに、“いつもの自分”をキープすることで、安定した利益を積み上げました。

 一方で、買いチャンス/売りチャンスを常に伺う“動”派は、DAIBOUCHOUさん、まつのすけさん、rennyさんの3人。企業業績を冷静に分析し、自分を信じて買い判断するDAIBOUCHOUさんは、四半期決算の好転が感じられた連結決算ソフト会社のアバントや出版業からWeb関連事業への業態転換を見越して買ったオリコンで大きな利益をゲット。同様にまつのすけさんも、再上場後に株価が急落したワールド、東証一部昇格期待が剥落して下落した田辺工業を割安感が出たところで購入し、利益をしっかりとキャッチ。
 rennyさんは、お気に入りのファンドの長期保有を大前提としながらも、「『厳選長期投資』を運用方針に掲げる農林中金バリューインベストメンツの奥野一成さんが運用する、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資・おおぶねに投資できたのはうれしかった。スパークスの『華咲く中小型』は月次レポートが劇的に生まれ変わったので毎月積み立てを始めました」と魅力的な投資信託探しに余念がありません。「このマネジャー、チームに託してみたい」と感じたらまず少額から買ってみる、逆に「このマネジャー、チームにはもう任せたくないな」と感じたら、相場やそれまでの損益に関係なく解約する、という考えです。
 3人とも、独自の観点で、自分のジャンル内外の状況をいち早く把握し、有望銘柄を探して、チャンスが来たら常に動く準備を怠らない派です。

 静と動、いずれのスタンスでも成功するときもあれば失敗するときもあります。この5人も過去には大きな痛手を負った経験もあるはず。しかし、それを乗り越えて「これが自分の投資手法」という確固としたスタイルを築きました。つい浮かれて目移りしそうになるほどの好景気だった2019年、5人の成功は、淡々とマイ・スタイルにのっとって投資を続けることの重要性を体現する結果となりました。