投資ヒストリー&投資哲学を教えて!

過去最大の失敗談は?

マイルールに縛られて売りタイミングを誤り、利益をゲットできず…

 当時のサミーは『獣王』などパチスロ機のヒットで業績が成長、株価も上昇していましたが、当時、初心者だった私はリスク管理のつもりで、「1銘柄あたりの投資上限金額はいくら」という限度額を決めていて、株価が上昇してその上限額を超えたら、超えた分を売却することにしていました。そしてサミー株もそのマイルール通りに売却したのですが、その後ぐんぐん株価が上昇し、売らなければ得られたはずの利益を取りにがすことに…。「株にも機会損失があるんだな。株価の上昇が続きそうな銘柄は多少、リスクを冒しても継続保有して、利を伸ばす、という発想がとても重要なんだな」と感じました。

過去最大の成功談は?

バブル後の不動産株復興に乗じて、1,000万円が10億円に!

 2002年頃から、バブル後に塩漬けされていた不動産が不良債権処理の名目で、市場に大量に流通するようになり、戸建、マンションを格安で分譲する会社と、不動産ファンドを組成して販売する会社、その不動産ファンドに投資用不動産を販売する会社という、これまでにない3つのタイプの不動産ベンチャー企業が雨後のたけのこのように登場。2002年の金融危機で投げ売られた不動産ベンチャー企業の株を、信用取引を使ったフルレバレッジ投資で底値買いして、2006年まで我慢して長期保有。数年間にわたる反転上昇相場で1,000万円の資産を10億円まで増やせたのが私の一番の成功体験です。

 やはり、株式投資というのは成長性が一番、大切。業績成長による株価上昇ポテンシャルのすごさをつくづく実感しました。

「不動産流動化ビジネス」という新しい産業の誕生に早乗りできたのも成功の理由です。ただし、絶好調だった不動産ベンチャー株も2006年以降は米国発のサブプライムローン問題の余波もあり、業績が急速に悪化して倒産が続出。私自身、大きな損失に。不動産会社の経営者でも不動産市況の予想は難しいのだと痛感しました。

これまでの投資で買ったお宝は?

 自宅と投資用不動産を購入しました!

失敗や成功を通じて学んだこと・投資哲学は?

 株式投資は「投資資金」×「パフォーマンス」×「時間」という方程式で成果が決まります。この3つの要素を最大限にするのが投資家の仕事だと考えています。

 たとえば、信用取引は投資資金を増やす効果があります。自己資金が1,000万円程度しかなかった2002年頃、投資初心者時代の私にとって、信用取引は投資資産を大きくすることで投資成果を向上させるために必要不可欠のツールでした。

 投資資金を数億円まで増やすことができた現在は、相場で生き残ること=つまり、なるべく時間を味方につけることで投資成績を上げることに重点を置いています。時間を味方につけるためには、個別株を長期保有するリスクを回避するための分散投資が必要不可欠だと思います。その分、パフォーマンスが少し犠牲になりますが、利益を再投資することで得られる複利効果も投資する時間の長さが生み出す効果といえます。

 自己資金の量によって「投資資金」×「パフォーマンス」×「時間」のどの部分に重点を置くかという戦略を変えていくことが大切だと思いますね。