米国には50年以上増配を続けている企業もある
──では、米国株のどこに魅力を感じたのか教えてください!
将来に備えた長期資産形成を前提とした場合、日本企業に投資するよりも高い利回りを期待できるという点です。
──株式を保有して配当金を受け取り、その配当金を再投資する──。これを長期にわたって続けるという手法を取る限りは、日本企業より米国企業に投資したほうが将来有利ということですね。
はい、そういうことです。
──その理由は?
1つは、言うまでもなく、米国には世界市場において競争優位性が高い、つまり競合企業よりも優れたプロダクトやバリューを継続して生み出している企業が多いからです。1つ具体的な数字を挙げます。企業の競争優位性は営業利益率で表すことができるのですが、たとえば飲料セクターの場合、米国コカ・コーラの営業利益率29.8%に対して、サントリー食品は8.8%、アサヒグループ・HDは10%、伊藤園は4.5%です。
また、日用品セクターの場合、米国P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の営業利益率22.1%に対して、花王は13.8%、ユニ・チャームは13.4%、ライオンは9.8%に過ぎません。今、挙げた日本企業はどれもこの国を代表する企業ですが、それでもこれだけ大きな差があるんです。
──たしかにコカ・コーラやP&Gといったら世界中の誰もが知っているような企業ですもんね。やっぱり底力が違うということですね。
はい。だから、安定して配当金を得ることができます。
──なるほど。
それともう1つ、日本企業と米国企業では、「配当金」そのものに対するとらえ方が少し違います。日本でも上場企業の多くが配当金制度を導入していますが、景気が悪化して業績が低迷すると、「不況なんだから株主も責任を取ってくれよ」といわんばかりに平気で減配(配当金を減額すること)する傾向にあります。中には不況のたびに減配を繰り返す企業もあります。一方、米国では、稼いだ利益は配当や自社株買いを通じて積極的に株主に還元するという考え方が根付いているため、簡単に減配に踏み切ることはしません。むしろ景気や業績にかかわらず、増配を続けている企業が多いんです。
──たしか日本だと花王が連続増配記録を継続していますよね。
はい、今年12月期にも増配を予定していて、これが達成されたら30年連続増配ということになります。日本企業だと25年以上増配を続けている企業は他にありませんから、花王はかなり頑張っていると思いますが、米国企業を見渡すと、花王レベルの高配当企業が数え切れないくらいあります。コカ・コーラやP&G、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、50年以上増配を続けている企業も珍しくないんです。
──50年以上はスゴイですね。リーマン・ショック時、未曽有の大不況でも増配を続けていたわけですよね?
はい。だからこそ信頼に足るわけです。もちろん、50年連続増配しても51年目に減配しないという保証はありません。しかし、その可能性は低そうです。だから、僕はそういう企業に投資する方法を選びました。
──米国の高配当銘柄に投資する魅力がわかってきました。次回はもう少し突っ込んで、実際のポートフォリオなどについてもお伺いします!
>> 中編 米国の超「連続高配当」銘柄で勝つ!コカ・コーラ、マクドナルド、P&G… を読む!
>> 後編 バフェット太郎が教える米国株の始め方。英語が苦手でも大丈夫? を読む!
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