みきまるさんの勝負銘柄トップ5を公開

「優待バリュー投資術」という独自の手法で数億円の資産を築き上げたスゴ腕投資家、みきまるさんインタビュー後編をお届けします。今回は、みきまるさんが保有する675銘柄のなかの主力銘柄についてお伺いしました。

1銘柄で数千万円の損失を出したことも

2008年リーマン・ショックごろは大打撃を食らい、「マジで死にそうだった(笑)」と振り返る。「2016年も同じくらい負けたし、2018年も悲惨だったけど、2006~2008年の負けは、自分的に反省点が多い負け体験で、後悔が残っています。あの負け方はない。ないわ~」と苦笑い。手痛い負けから学んだことも多く、その後は勝ったり負けたりしながらも、順調に資産を増やしている。

──みきまるさんは保有株をJ1、J2、J3、「優待株いけす」の4つのグループに分けているなか、現在、J1、J2、J3を合わせると65銘柄ほどあるとのことですが、これらはつまり勝負銘柄ということですよね?

 はい、それらの銘柄の出来によって収支が決定します。ただ、J1の銘柄とJ2の銘柄、J3の銘柄では投資金額がかなり異なります。J1、それも上位のトップ10くらいになると、相当な額を投資します。ですから、J1の上位数銘柄の出来で年間収支が決まるといっても過言ではありません。

──2009年から9年連続プラス収支を達成されています。そのころはJ1のなかの上位銘柄が好調だったのですか?

 はい、J1最上位に置いていた銘柄にTOB(株式公開買付)がかかって株価が急騰するとか、いくつか幸運もありました。ただ、失敗もあります。例えば2016年にはブライダルビジネスを展開するエスクリという会社を最上位に置いていました。中期事業構想が速やかに進捗していて、この勢いならば国内のブライダル産業の頂点に立つのは時間の問題だろうと考えていました。それで強気に買い増ししたのですが、あるとき業績下方修正の発表があり、それを機に株価が急落したんです。このときは数千万円の損失を出しました。

──一夜にして数千万円失う。そういうときってどんな心境になるんですか…?

 それはもう、絶望的な気分になりましたね。それまでもいろいろ失敗はしましたが、1銘柄で数千万円なくしたのは初めてだったので、とにかく精神的なダメージが大きかった。

──でも、立ち直った?

 いけすの存在が大きかったんです。いけすがあるおかげで毎日のように優待が届くし、配当金も入ってくる。これがあるなら絶望することはないじゃないか、「数千万円なんてすぐに取り戻せるぜ!」という心境になれました。

──結局、2016年も年間収支はプラスだったわけですよね。

 はい、エスクリ以外の上位銘柄はどれもよかったんです。それに助けられました。