資産なんと数億円!オリジナルな「優待バリュー投資術」を公開!

 人気投資ブログ『みきまるの優待バリュー株日誌』を運営するみきまるさんは数億円の資産を築き上げたスゴ腕投資家の1人。投資を始めて数年目に確立した「優待バリュー投資術」という独自の手法で成績が急上昇し、リーマン・ショック後の2009年から一昨年まで9年連続プラス収支を達成しました。そんなみきまるさんに「優待バリュー投資術」を中心にさまざまなお話を伺いました。

▼みきまるさんProfile

 人気ブログ『みきまるの優待バリュー株日誌』を運営。優待株の中から割安で総合戦闘力が高い銘柄を選別し、2~3年の中期の時間軸で戦う「優待バリュー株投資」を実践。現在保有している優待株は675銘柄。総資産数億円。Twitterアカウント みきまるファンド (@mikimarufund) | Twitter

 

▼みきまるさんの投資ヒストリー

社会の出来事 年度 みきまるさんの投資歴
光通信・20営業日連続ストップ安、大証ヘラクレス市場・売買開始、ゼロ金利政策を解除 2000 「さわかみファンド」を購入し、「さわかみコバンザメ」として投資家生活をスタート
911米国同時多発テロ、中央省庁再編、エンロン破綻、日本初のREIT(J-REIT)が東証に上場 2001 住友金属工業株を購入し、バリュー投資を開始
  2002 ヤフーの株式掲示板に出入りするようになり、多くの情報に触れるうち「さわかみレター」から卒業。「優待族」の投稿を読んで優待の魅力に目覚める
イラク戦争、ソニー・ショック 2003 『生き残りのディーリング』を再読し、改めて投資魂を燃やす
新潟県中越地震 2004 ヤフー掲示板を主戦場に、楽しく投資に励む
郵政解散、小泉郵政選挙による株価の急騰 2005 アールビバン株の主力化を機にブログ開設。『マネーの公理』を読み、集中投資に目覚める
ライブドア・ショック、村上ファンド・村上世彰の逮捕 2006 ジェイ・ブリッジで大ダメージを負い、年間マイナス
  2007 ナルミヤ、サンクスジャパンなどの主力にTOBがかかるも無念の年間マイナス
リーマン・ショック 2008 リーマン・ショックでポートフォリオが耐えきれず3年連続のマイナス
クライスラー・ゼネラルモーターズ破綻、ギリシャ危機、ドバイ・ショック 2009 3年ぶりのプラス成績で終わり、ほっと安どのため息をつく
旧ジャスダック、ヘラクレス、NEOの3市場を統合し新ジャスダックが発足 2010 ポートフォリオ1位のゴールドパックにTOBがかかり好成績
東日本大震災、米信用格付引き下げ 2011 優待バリュー株投資で手堅くプラス
  2012 シュッピンに目をつけるも、購入せず、利益を取り損ねる
アベノミクス相場開始 2013 大事に育てた物語コーポレーションを売却し、利益を得る
消費税率を8%に引き上げ、アベノミクスピーク 2014 大きなミスのない良い一年
  2015 バリュー→モメンタム投資の導入で好成績
イギリスのEU離脱国民投票 2016 エスクリで数千万円の大損失
  2017 引き続きバリュー→モメンタム戦略が好調
  2018 日経マネーにて連載「みきまるさんの優待バリュー株投資入門」開始
  2019 昨年の悲惨な成績からの挽回を期して必死に戦う

優待銘柄のなかから割安なバリュー株を選んで投資する

優待株は、“ガラスの靴を履いたシンデレラ”、とみきまるさん。「ガラスの靴を履いていれば、舞踏会で華麗に踊り続けていられるけど、いったんその靴を脱いでしまえば魔法が消えてしまう。優待があれば市場で人気者だけど、いったん優待をやめてしまえば見向きもされず、株価が急落する可能性もあります。優待銘柄を持っている以上、もし優待を廃止したら株価が下がりすぎる可能性もあることを覚悟すること!」

──今日はみきまるさんが実践されている「優待バリュー投資術」についてたっぷりお話を伺います。まずお聞きしたいのですが、投資の本を読んでも「優待バリュー投資」という言葉はどこにも出てきません。これは昔からある言葉なのですか。

 いえいえ、私の造語です。だから、どこにも出てなくて当然です(笑)。

──ということは、みきまるさんオリジナルの投資術なんですか?

 そういわれればそうです。ただ、優待株のなかから割安感のあるバリュー株を選別して投資するという、それだけのことですから、特別、画期的な手法というわけではありません。

──確かに似たようなことをしている人はいそうですね。

 そう思いますよね。でも、これが案外いないんです。私はまず株主優待があるかどうかを確認し、優待がない銘柄はよほどのことがない限り、ふるい落とします。で、優待銘柄のなかから投資先を絞るわけですが、ここまで徹底している人はほとんどいないと思います。そもそも優待目当ての人は優待の中身で銘柄を選ぶのが普通ですし、バリュー投資家には「優待狙いなんて邪道だ」という人が多いですし。

──でも、みきまるさんにはこの手法が最適だった?

 日本の上場企業のなかで株主優待制度を導入している企業は1,500社近いと言われます。これは上場企業全体の4割近くに及びます。だとしたら、優待株の中にも、割安で戦闘能力の高い銘柄があっても不思議じゃないですよね。というか、探せば絶対にあるはずです。そういう銘柄なら、何かしらの優待がもらえる上、将来的には株価の上昇による利益を得られる可能性もあるわけです。しかも、優待銘柄は投資家に人気が高いので、株価が下落しにくいという特徴があります。だったら、それを狙わない手はないというのが私の考えです。