投資を始めたころは「コバンザメ戦法」で利益を上げていた

──実際にどのように投資しているのかをお伺いする前に、投資を始めたきっかけについてお聞かせください。みきまるさんは2000年に投資を始められたんですよね。

 はい、何となく投資に関心を持ち、マネー雑誌を読んだりしていたのですが、あるとき牛丼の吉野家の株主優待の記事が出ていたんです。一定以上株を持っていると、食事券がもらえると。それで、「株を買ってタダで牛丼が食べられるなんて最高じゃないか!」と思い、吉野家の株を買ったのが最初です。今もそうですが、吉野家の牛丼が大好きだったんです(笑)。

──最初は株主優待から入ったんですね?

 そういうことになります。ただ、それからすぐ、「牛丼がタダで食べられるからといって、それだけの理由で投資を行うのはどうなんだろう…」と考えるようになりました。万が一、吉野家の経営が傾いたりして株価が下がったら、いくら食事券をもらってもソンをするのではないか、最悪の場合は投資したお金を失うハメになるのではないかとシロウトなりに思ったわけです。

──それでどうされたのですか?

投資の勉強を始めて以来、数百冊の投資本を読みに読んでいるみきまるさん。このたび、みきまるさんが厳選した、本当に役立つ投資本35冊をまとめた書籍を出版。読みどころや実感こもる感想、愛あるツッコミなどが満載。脱初心者を目指して、少し上のレベルに進みたいセカンドステージの投資家が読むと、次に何を読んだらよいのかの指針となるかも。

 このまま投資を続けるとしたら、一度きちんと勉強する必要があると思い、とりあえず投資関連の本をいろいろ読んでみることにしました。そのときだけで10冊くらい読んだと思います。それで、株式投資には株主優待だけでなく、いろいろな魅力があることを知り、本格的に挑戦してみようと思いました。といっても当時、貯金は150万円程度でしたから、いきなり大金を投じたわけではありませんが。

──どんな銘柄を購入したのですか?

 自分で銘柄を選ぶのはリスクが大きすぎるだろうという思いがありました。多少投資の知識がついたとはいえ、企業の業績や市場の動向を読むなんてとてもできませんし。で、どうしたものかと考えた末、当時人気のあった投資信託(アクティブファンド)に組み込まれている銘柄のなかから選ぶことにしました。さわかみ投信が運用する「さわかみファンド」です。このファンドを購入すると、どんな銘柄に投資しているのか定期的に教えてくれるので、そのなかから選んだわけです。要するにプロが選んだ銘柄のほうが間違いないだろうと考えました。

──成績はどうでした?

 すべての銘柄が思惑通り株価が上がったわけではありませんが、それなりの結果を残すことができました。ただ、この「さわかみコバンザメ戦法」は2年ほどで卒業します。というのもその頃から「Yahoo!ファイナンス」の掲示板に出入りするようになり、そこでいろんな投資家の方々と話すうち、優待銘柄の魅力を再認識したんです。先ほども言ったように優待銘柄は投資家人気が高いので、優待のない銘柄に比べたら負けにくい。そこで、優待銘柄のなかから割安なバリュー銘柄を探して投資するという手法にたどりつきました。