優待銘柄を買ったらまずは「優待株いけす」に入れておく

──では、実際にどのように投資しているのか、投資手法や考え方を具体的に教えてください。

 例えばどこかの企業が新たに株主優待制度を導入したとしますよね。そしたらまずその銘柄のPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)を調べて割安かどうかをチェック。同時に配当+優待の利回りがどれくらいなのかを確認します。それでそれらが平均的、もしくは平均以上の水準だったら、とりあえず買ってみるというのが私のやり方です。

──とりあえず買ってみる?

 はい、度を越して割高だったりしたら別ですが、そうでなければいったん買ってみます。ただ、最初は優待の権利を得るのに最低限必要な分だけ購入します。優待品をもらうためには、その企業が定める株数を保有していなければなりません。だから、その枚数だけ購入するということです。企業によっても違いますが、1単元100株以上というケースが多いですね。

──この段階では株主優待をもらうのが目的ですから、それ以上持つ必要はないということですね。

 おっしゃる通りです。企業によっては保有株数に応じて、優待の内容がグレードアップされることもありますが、そのためだけに大量に株を持つのはリスクが大きすぎますから。

──それで、買った後はどうするのですか?

 最初は「優待株いけす」に入れておきます。

──「優待株いけす」?

 私は自分が保有している銘柄を投資金額別に4つのグループに分けているんです。Jリーグになぞって、J1グループ、J2グループ、J3グループ、そしてもう1つを「優待株いけす」と名付けています。で、J1は投資金額が多い、つまり私にとっての主力銘柄。J2は準主力銘柄、J3は準々主力銘柄で構成されます。それらのいずれにも属さない銘柄を「優待株いけす」に入れておくわけです。

──つまり、今の段階では主力になりえない銘柄は、とりあえず「いけす」に入れてしばらく放置するのですね?

 はい、そういうことです。その会社が優待制度を始めたからといって、その銘柄の株価が上がるかどうかは何ともいえません。株主優待制度を導入すると買う人が増えるので、一時的に株価が上がることはありますが、すぐにまた下がることも珍しくありませんし。だから、まずは「優待株いけす」に入れておくんです。そこに入っている銘柄は基本的に買い増しはしません。

──優待と配当、つまりインカムゲインを得るために保有している銘柄は「優待株いけす」、それに加えて株価上昇による利益、つまりキャピタルゲインも期待できそうな銘柄はJ3以上に入れるということですね。

 はい。だから、「優待株いけす」に入れている銘柄に何か好材料が出て株価が上がると思ったら、いけすから引き揚げて、J3以上に昇格させます。その際に買い増しするわけです。

──なるほど、面白いですね。では次回はJリーグ方式についてもう少し詳しくお伺いします。

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