W・バフェットのお眼鏡にかなう銘柄は日本にはなかった?
──まずは株式投資を始めた経緯をお伺いできますか。
投資を始めたのは23歳のとき、2007年の初めごろです。僕は「お金」が好きで、貯金ばかりしていたのですが、ある日たまたま読んでいたマネー雑誌に「お金に働いてもらいなさい」といったことが書かれていて、「たしかに貯金だけしていても機会損失かな」と思うようになりました。ただ、証券会社の口座開設って何だかすごい面倒くさくて、思ってから実際に投資を始めるまでに何カ月もかかりました。
──最初、どんな銘柄を購入されたか覚えていますか。
最初は「HSBCインドオープン」という投資信託で、1カ月で100万円が120万円になったのを覚えています。「これがお金に働いてもらうってことか。チョロいぜww」と天狗になりかけました(笑)。ところが、その数カ月後にサブプライムローン問題が顕在化し、リーマン・ショックとともにボコボコに値下がりしました。当時、新興国株は高い成長が期待できるといわれていて、長期間保有すればいずれプラスに転じるとは思いましたが、自分のお金が溶けていくことに耐えきれず、結局、「狼狽売り」しました(笑)。
──その後、日本株を始めたのですか?
はい、将来有望な中小型株を探し出して投資するようになりました。ただ、日本の市場に対して物足りなさというか、不満を抱くようになったんです。というのも、そのころはすでにウォーレン・バフェットの著書を読んだりしていたので、「バフェットだったら、どの銘柄を選ぶだろう」という視点で銘柄探しを行っていました。ところが、バフェットのお眼鏡にかないそうな銘柄なんてどこをどう探しても見つからないわけです。経営指標が米国企業に比べて見劣りするというか。それでもいくつか購入しましたが、成績はパッとしませんでした。
──それで米国株にシフトしたのですね?
このころはまだ配当金を狙う投資法でいこうと決めていたわけではありません。ただ、日本株より米国株のほうが大きく増やせるのでは? と思っていました。それで、2015年にすべて米国株に乗り換えることにしたんです。
──株式投資を始めて8年目のことですね。
今、振り返ると「8年間も何をやっていたんだ…」と思います。あの頃は、確実に、ダメダメ投資家の1人でした(笑)。
──でも、その経験があるから今があるのでは?
いや~、どうでしょう(苦笑)。でも、まあ、1年や2年じゃ、自分の投資スタイルを確立しろといわれても難しいかもしれないですね。株式投資というのは、やってみないとわからないことがいろいろありますから。