金相場の“節目”は2018~2019年の間に3度

 さまざまな相場において、価格の推移を説明する際に“節目”という言葉が用いられることがあります。例えば日経平均株価であれば、2万1,000円の節目を超えて上昇が目立ってきた、2万3,000円の節目を超えられずいったん反落した、などの説明のように、1,000円ごとの価格を“節目”と呼ぶことがあります。

 節目は、場面と場面あるいは時間と時間のキリが良い境目という意味ですが、相場で言えば、価格帯の境目といえ、この節目を超えて価格が上昇すると、その価格上昇には勢いがある、などと解釈されることがあります。

 そのため、“節目を超えたら買おう”“今のポジションは次の節目まで上昇したら売ろう”、などと、節目となる価格を取引の動機とする投資家もいます。

 相場の節目という視点でNY金相場を見ると、昨年2018年後半から、1,300ドル、1,400ドル、1,500ドルと、3度の節目越えを達成していることが分かります。特に2019年6月に1,400ドル超えの際は、反落をほとんど伴わず、勢いを伴って上昇しました。

 勢いを伴った上昇となっている現在の金相場の上昇率は、下の図から、さまざまな株価指数や通貨、コモディティ(商品)の中で、比較的大きいことが分かります。

図:2019年の年初から10月25日までの騰落率

 

出所:楽天証券のマーケットスピードⅡのより筆者作成