世界で進む高齢化。輸入に頼る食と医療、日本は大丈夫?
高齢化は日本だけではなく、世界の多くの国々で進行しているので、高齢者世帯に必要な財・サービスは海外の影響を受けることになるかもしれません。国連のレポートによると、2017年に世界全体で6.5億人だった65歳以上人口は2030年には10億人に迫る見込みです。
中国の高齢化はハイペースで進み、65歳以上人口は約1億人増加、高齢化率(全年齢人口に占める65歳以上人口の割合)は6.5%上昇します。
▼国際連合による人口の長期予測
世界人口の増加で環境破壊や食料危機を懸念する声があります。日本は食料を輸入に依存していますが、医薬品などの医療品も輸入が多く、2018年は輸出額6,120億円に対して輸入額2兆8369億円と輸入超過です。医療品の輸入額は増加を続けています。
▼医療品輸入額の推移
近年は貿易収支が赤字になる月も多いですが、食料や医療品、エネルギー資源などを輸入し続けるには、輸出で稼ぐか、海外が日本に資金を投資・融資する経済成長の期待があるか、そうでなければ、金融資産を取り崩していくことになります。
”Output is central”(財・サービスの生産が中心)とはLSE(ロンドンスクールオブエコノミクス)教授のニコラス・バー氏が提唱した概念です。年金制度を維持するためにも、生活に必要な財・サービスを手に入れるためにも、経済成長・GNP(国民総生産)の増加がカギになります。