2020年の実質GDP(国内総生産、1次速報ベース)は529兆円と前年の556兆円から、▲4.8%の下落となりました。株価と実体経済の乖離(かいり)が鮮明になり、今年に入ってからも、激しい値動きを伴いつつ、日経平均株価は年初から約6%上昇しています(3月4日終値)。
株価は将来の経済動向の期待を反映すると言われることがあります。代表的な指標であるGDPを中心に、経済の先行きについて考えてみたいと思います。
“ゲタ”を履いて始まった2021年
昨年のように経済が大きく変動した場合、翌年の経済成長を考えるうえで無視できない要素があります。
それは、“ゲタ”と呼ばれているもので、最終四半期のGDPと年のGDPの比から求めることができます。ややテクニカルですが、2021年、あるいは2021年度の経済成長率を考える点で重要な要素なので、数字を追いながら見ていきましょう。
▼実質GDPとゲタ
2020年は緊急事態宣言を受けて4-6月に経済活動が制限され、GDPは大幅に落ち込みました。その後、緊急事態宣言の解除により経済活動が戻り始め、GoToキャンペーンや雇用調整助成金の特例措置などのさまざまな施策もあって、7-9月、10-12月と回復を続けました。
その結果、2020年10-12月の実質GDP(季節調整値・年率換算)は543兆円、前年同期比で▲1.1%の水準まで戻りました。2019年10-12月は消費税増税の影響などがあったので、2019年のGDPよりは弱い数字ですが、2020年4-6月の最悪期に比べればはるかにマシな状況と言えるでしょう。
2020年のGDPと2020年10-12月のGDPを比べると、年の後半に大きく回復したことから、2020年10-12月のGDPは2020のGDPより+2.6%大きくなりました。これが、ゲタと呼ばれる部分になります。









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