債券ETFとは?

 債券ETFは文字通り債券に投資するETFです。代表的なものには下のような債券ETFがあります。

銘柄名 コード 費用比率
バンガード米国トータル債券市場ETF BND 0.04%
iシェアーズ・コア米国総合債券ETF AGG 0.06%
iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF LQD 0.15%
iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF HYG 0.49%
iシェアーズ米国物価連動国債ETF TIP 0.19%
SPDRブルームバーグ・バークレイズ・ハイイールド債券ETF JNK 0.40%

 一般に社債のETFは景気拡大局面では国債のETFよりパフォーマンスが良いですが、逆に景気見通しが不透明なときは国債のETFの方が選好される傾向があります。

 ハイイールド社債のETFには大企業以外の信用力に劣る企業の出す社債が組み込まれています。経営環境が不透明な局面ではそのような企業はデフォルト・リスクが高まると考えられるため、アンダー・パフォームしやすいです。

不動産ETFとは?

 代表的な不動産ETFには次のような銘柄があります。

銘柄名 コード 費用比率
iシェアーズ米国不動産ETF IYR 0.42%
SPDRダウ・ジョーンズREIT ETF RWR 0.25%
SPDRダウ・ジョーンズ・インターナショナル・リアルエステートETF RWX 0.59%
iシェアーズ先進国<除く米国>REIT ETF IFGL 0.48%

 REIT(不動産投資信託)は集合住宅やショッピングモール、さらに倉庫などの家賃収入を生む不動産物件に小口から分散投資できる仕組みです。

 家賃収入の大部分を投資家にペイアウトすることが制度上決められているため、高い利回りになりやすいのです。

 そういう良い点がある半面、家賃収入の大部分を投資家にすぐ還元するということは留保を積み上げられないことを意味し、景気後退局面で空室や家賃の滞納が起こると、それに対する備えがぜい弱になるリスクもあります。

コモディティETFとは?

 コモディティETFは原油や金などのコモディティに投資できるETFです。代表的な銘柄は下表の通りです。

銘柄名 コード 費用比率
SPDRゴールドシェア GLD 0.40%
iシェアーズ・ゴールド・トラスト IAU 0.25%
iシェアーズ・シルバー・トラスト SLV 0.50%
インベスコDBコモディティ・インデックス・トラッキング・ファンド DBC 0.85%
インベスコDBアグリカルチャー・ファンド DBA 0.89%
iシェアーズS&P GSCIコモディティ・インデックス・トラスト GSG 0.75%

 このうちSPDRゴールドシェアは、金に投資するETFとして草分け的存在であり、このETFから初めてETF投資を開始したという投資家も多いです。その理由は金の延べ棒は保管する場所に困るため、ETFのように証券口座で買える投資商品で金価格の値動きに投資できてしまうというのは、極めて画期的なことだったからです。

 iシェアーズ・シルバー・トラストは銀価格に投資できるETFです。これもポピュラーなETFです。

 インベスコDBコモディティ・インデックス・トラッキング・ファンドは、コモディティ全般に投資できるETFです。ヒーティング・オイル(組み入れ比率11.32%)、ブレント原油(11.21%)、ライト・クルード(11.05%)、ゴールド(9%)、小麦(6.86%)、トウモロコシ(6.21%)、大豆(6.20%)などが組み込まれています。

 なお、インベスコDBアグリカルチャー・ファンドは、農産物だけのETFです。

第6章「カントリーETFとは?」はこちら