大間違いその6:対面営業型証券のラップ口座で投信を買う

 対面営業型の証券会社、銀行(系列の証券、信託を通じてサービスを提供する)などがラップ口座の営業に力を入れているのは、ズバリ、投信の乗り換え勧誘に対して金融庁が厳しくなったからだろう。顧客のお金をラップに囲い込んで、「手数料稼ぎのための回転売買はしていません」という体裁を作りつつ、たっぷり手数料を取る。

 ラップの「正邪」を見分ける分かりやすい方法がある。例えば、国内株式の組み入れファンドを見たときに、手数料が最割安のインデックスファンドになっていずに、系列の投信会社が運用するアクティブファンドなどになっている場合、そのラップは、顧客のためというよりは、金融機関のために運用されている。

 そもそも、自分のお金の運用内容を資産配分レベルから他人に「お任せ」にしようとすることが好ましくないが、ラップを考える上で、根本的な「問い」をご提供しよう。

「そのラップ口座は、どのくらいの大きさのリスクを取り、幾ら投じるのが適切か?」がその問いだ。よもや、一つのラップ口座に全財産を投入しようと考える投資家はいまい。だとすると、ラップに預ける金額を決めなければならないが、リスクの大きさ(本当は内容も)が分からないものに、いくらお金を投じていいのかを決めることはできない。

 ところが、自分でそれを決められるくらいなら、ラップ口座に別途手数料を払ってまで他人に運用してもらう必要はないし、リスクの大きさその他が分からないというのであれば、これに大事なお金を投じるのは問題だろう。

(図4)