人が目をそむけるような不人気な業種の銘柄を狙う

──ほかにピーター・リンチから学んだことはありますか?

 彼は「気のめいるような不人気な業種、環境が悪い業種は、他人が買いたがらない分、株価が割安に放置されやすい」と言っています。普通はその時代の花形である業種や将来有望とされる業種の銘柄に目がいきがちですよね。最近だとAI関連とかロボット関連とか。でも、彼はそういう銘柄はみんなが欲しがるので、どうしても割高になる。それよりも人が目をそむけるような不人気な業種の銘柄は割安、つまりその会社の本来の実力よりも安い値がついていることが多いので狙い目だというわけです。

──たしかにそうかもしれませんね。

自分の勤務先企業のジャンルなら他の人が見つけられない目玉銘柄も見つかる可能性が高い。「私も、自分の勤務先の嫌なライバル社(笑)の動向をチェックしています。買おうかな、と思う企業を見つけたら、その企業だけでなく、同業他社の動向や業界全体の流れ、狙った企業の業界内の立ち位置なども調べてみてください」

 でも、あえて人が敬遠するような業種の銘柄を狙うのも有効な手立てだと思います。

──実際、エナフンさんはどんな銘柄を買ったのですか?

 リーマン・ショック直前に再開してすぐに買ったのが、名古屋を拠点とする葬儀会社、ティアの株です。当時、急成長していたのですが、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が低く、割安なまま放置されていました。それで、ピーター・リンチだったら絶対目をつけるだろうと思って購入したら、その後、株価が急上昇しました。その頃、葬儀を仕切る納棺師を描いた映画『おくりびと』がヒットして、葬儀業界に注目が集まっていたんです。それが株価上昇を後押しするという幸運にも恵まれました。

──たしかに「葬儀会社」の株は盲点かもしれませんね。

 そう、だからかなり割安だったんです。

──人と違う目線で考えることが大事ということでしょうね。あとは何かありますか?

 もうひとつ、ピーター・リンチは「自分の身近なところで探すべき」だといっています。例えば趣味が食べ歩きだとしますよね。そうしたら当然、今どこの店が流行っているかとか、大行列ができているかとか、詳しいわけじゃないですか。それは大きな強みであるわけですから、その知識を生かしてフード業界でどこが有望なのかを考えてみればいいんです。実際、私はトンカツが大好物で、かつて低価格のトンカツ専門店「かつや」を展開するアークランドサービスホールディングスの株で、大儲けさせてもらいました。この会社は多店舗化によって利益を大きく伸ばし、それにともない株価が底値から20倍に上昇したんです。

──自分が興味や関心を持っていて、他人よりも詳しい分野があったら狙い目だということですね。とすると働いている業種や業界で探すのもいいのでは?

 もちろんです。自分が働いている業界の動向に関しては、一般の投資家よりはるかに詳しいはずですから、大きなアドバンテージになります。

──会社に業界誌などが置かれていたら、そういうのを読むクセをつけるといいかもしれませんね。

 そうですね。業界誌にはA社が新技術を開発したとか、B社の新規事業が順調だとかそういう記事が満載ですからね。一般の経済新聞のように多くの人に読まれているわけではないので貴重な情報を入手できる可能性があります。あと、自分が働く業界でこれまであまり聞いたことのない会社が台頭してきたとか、急激にシェアを伸ばしているといった噂を聞くことがあると思います。そういう場合もライバル会社として敵視するのでなく、投資先として検討してみるといいでしょう。

──自分の仕事がらみで投資先を探せるのはサラリーマンの強みですね。

 そう、だからその強みを最大限生かしてほしいと思います。

──後編では、近況や今後についてお伺いします。

 

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