先週の結果

先週は、週始めこそ、2万1,860円と3カ月ぶりの高水準となるが、その後は4日連続安の2万1,25円で引ける

 先週の予測では、チャート的には目先の戻りを試す動きで、まずは2019年10月2日の高値2万4,448円から、12月26日の1万8,948円までの下げ幅の半値戻しである2万1,698円を試すところであり、さらにNYダウ平均株価に比べて日経平均株価は出遅れ感があることから、出遅れムードが高まれば2万2,000円を目指すことになるとしました。

 しかし、相場環境としては、インド、パキスタンの地政学的リスク、トランプ米大統領のロシア疑惑の再燃や、3月期末を控え機関投資家の決算対策売りへの警戒感が出てくるところとしました。また、週末にはメジャーSQ(特別清算指数)や中国2月貿易収支、米2月雇用統計の発表を控え、週後半は手控えムードとなりそうだとしました。

 結果的には、週始めに日経平均は一気に下げ幅の半値戻しである2万1,698円を突破して2万1,860円まで上昇して、2万1,822円と3カ月ぶりの高値水準で引けました。 ここでNY市場が堅調であれば2万2,000円目標となったところですが、米国株式の主要3指標が高値警戒感から利益確定売りが続き、世界的景気後退懸念が出たことで、4日続落となり日経平均も5日(火)からは4日続落となり、特に週末の8日(金)は、日本も世界景気の先行き懸念から▲430円の2万1,025円で引けました。

3月4日(月):前週末の米国株高、1ドル=112円に接近する円安を好感し、寄り付きから+210円の2万1,812円と高値で寄り付き、後場には一時+257円の2万1,860円まで上昇し、その後は一服商状ながら高値圏で推移して、+219円の2万1,822円で引け、3カ月ぶりの高値水準となりました。 このまま2万2,000円目標も期待できましたが、この日の米国市場では、高値警戒感からの利益確定売り優勢となり、3指標そろって下落となりました。

5日(火):日経平均は、米国株安で売り先行となり、一時▲160円の2万1,659円まで下げ、引け値は▲95円の2万1,726円と3日ぶりに反落しました。

6日(水):前日の米国市場は、小幅ながら3指標そろって続落となったことで、日経平均も先物を交えての売り先行となり、一時▲175円の2万1,550円まで下げ、▲129円の2万1,596円で引けました。

7日(木) 前日の米国市場では、2018年の貿易収支が8913億ドルの過去最高の赤字となり、特に中国に対する赤字が過去最高となったことで、トランプ大統領の米中通商交渉圧力を強める結果になるのではないかとの懸念から3指標大幅下落となりました。 これを受けて日経平均も3日続落となり、売り先行後は方向感の乏しい展開となり、▲140円の2万1,456円で引けました。 この日の引け後の米国市場では、ECBが2019年の成長率見通しを引き下げたことで世界的景気減速懸念が高まり、NYダウは一時▲320ドルまで売られ、引け値は▲200ドルとなりました。3指標そろって大幅な4日続落となりました。

8日(金) :日本市場は、前日の欧米株式の下落を受け、先物中心に売り先行となり、▲116円の2万1,339円で寄り付いたあと、円高や上海株式の下落を嫌気して前場は▲359円の2万1,102円まで下げました。 後場になると2月の中国貿易統計で輸出額が大幅に減少したことを受け下げ幅を拡大し、一時▲462円の2万993円と2万1,000円を割り込みました。ここでは少し下げ渋って▲430円の2万1,025円と大幅な4日続落となりました。

 引け後の米国市場は、注目の2月雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を大きく下回り、さらに中国の2月貿易統計で輸出が大きく落ち込み、また、原油相場も下落したことで、世界経済の減速懸念が強まり、NYダウは▲220ドルまで下げました。ただ、引けにかけて下げ幅を縮小し▲22ドルの2万5,450ドルで引けました。そのためシカゴ日経先物は一時2万645円まで下げましたが、引け値では+135円の2万905円となっています。