(今週の指標)NYダウ平均株価

 米国の経済指標が強弱マチマチの発表となっており、今週は、今後の経済指標で景気動向を見極めたいとの思惑が強まることになりそうです。例えば、地区連銀経済報告(ベージュブック)では、多くの地域で景気減速が指摘され、2月雇用統計は予想を下回っている一方で、足元では2月ISM非製造業景況指数や12月新築住宅販売件数は予想を上ブレしており、強弱入り交じっています。

 先週の予測では、地政学的要因や政治要因で不安材料がある一方で、好調な経済指標が出てきていることもあり、強弱の材料が対立する中で高値圏でのもみ合いを想定しました。ところが、2018年10月の高値から12月の安値までの下げ幅の80%以上を急速に回復していきていることで、高値警戒感が出て利益確定売り優勢となりました。 柴田罫線を見ると10月3日の2万6,951ドルをピークに、順下げの三尊天井[(1)(2)(3)]となって急落後、3山目を突破して、2山目の11月8日の2万6,277ドルに接近する2万6,241ドル(2月25日)まで戻しています。

 結局、ここが高値となり、高値警戒感の中で中国の景気悪化懸念や北朝鮮のミサイル基地の回復、さらに週末にはECB発表の2019年の成長率見通しの引き下げもあり、世界経済の減速懸念から、NYダウを始め、S&P、ナスダックの主要3指標は5日続落で引けました。チャート的には、NYダウの下げ幅は今のところ大したことはなく、2月8日の2万4,883ドルを切らなければ問題はありません。