FAANG3銘柄:今後の懸念と期待要因
それでは、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックスの業績について詳細な分析をします。
アルファベット
アルファベットを取り巻く今後の成長懸念と成長期待のうち主な点は以下の通りです。
成長懸念
a. EUの独占禁止法関連の罰金
b. デジタルサービス税案
成長期待
c. 主軸である検索・広告事業のさらなる拡大
成長懸念
a. EUの独占禁止法関連の罰金
EUの独占禁止法関連の罰金が悪材料になっています。2017年は約27億ドル、2018年はこれまでのところ51億ドルが科せられました。罰金の根拠は、「グーグルの検索結果画面にグーグルショッピングの商品を優先的に表示した」こと、「Android端末に対して、グーグルプレイを搭載する場合は、自社ブラウザーのChromeや、メールサービスのGmailのインストールを要求した」ことです。
しかし、四半期ベースで見ると、アルファベットの業績は罰金に負けず右肩上がりで拡大しています。営業利益は、罰金の影響を計上した2017年2Q、2018年2Qに落ち込みましたが、長期トレンドで見た場合は増益基調が続いていることが分かります。
アルファベットの営業収益(2015年1Q~2018年3Q)
アルファベットの営業利益(2015年1Q~2018年3Q)
罰金の影響を受けながらもアルファベットが業績を拡大している要因は、同社が、「グーグル検索」という強い基盤を生かした広告を展開していることに加えて、「ユーチューブ」を通じた動画広告など、新しいタイプの広告需要を開拓できているからです。アルファベットの売上高構成比のうち86%は広告事業となっています(2018年1~9月期)。