エクソン・モービル
エクソン・モービル(ティッカーシンボル:XOM)はロックフェラーが興したスタンダード石油の中核企業、スタンダード石油ニュージャージーが母体となっています。
まず川上部門ですが、米国内ではテキサス州のパーミアン・ベイスン、ノースダコタ州のバーケン、ペンシルバニア州のマーセラスなどのシェール開発を行っているほか、メキシコ湾のオフショア油田、アラスカなどでも活動しています。
アフリカ大陸ではアンゴラ、ナイジェリア、赤道ギニア、チャドなどで石油の探索生産を行っています。
中東ならびにアジアでは、アラブ首長国連合、カタール、アゼルバイジャン、インドネシア、イラク、カザフスタン、マレーシアで操業しています。
オーストラリアではゴルゴンLNGプロジェクトに参画しています。
エクソン・モービルの2016年の生産実績は405万BOE/日でした。BOEというのは天然ガスを原油に換算した数値で、600万立方フィートが1,000バレルに相当します。
次に川下部門ではテキサス州ベイタウン、ルイジアナ州バトンルージュ、テキサス州ボーモント、ベルギーのアントワープ、シンガポールなどに巨大な精油所を展開しています。
次に財務的な話をすると、同社はオイルメジャーの中では最も高い社債格付け(AA+:ダブルエー・プラス)を誇っており、オイルメジャー各社の中で唯一2016年のフリー・キャッシュフローが黒字となっています。また過去10年間の使用資本利益率は19%、オイルメジャー中で最高です。
同社は2014年下半期からの原油価格下落局面で、最後まで資産の評価損を計上しませんでしたが、2017年中に初めて評価損を計上する決断をしました。
10月に発表された第3四半期決算ではEPSが予想87セントに対し93セント、売上高が予想662.4億ドルに対し661.2億ドル、売上高成長率は前年同期比+12.8%でした。なお、ハリケーン・ハービーでベイタウン精油所が一時閉鎖されたためEPSが4セント悪影響を受けています。