再エネ事業が高成長見通し、太陽光発電の売却益と運営サービス収入が急拡大へ
現地コード | 銘柄名 |
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01083 |
港華智慧能源 (タウンガス・スマート・エナジー) |
株価 | 情報種類 |
3.30HKD |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは中国本土で都市ガス事業を展開するタウンガス・スマート・エナジーの2024年6月中間決算をより詳細に分析した結果、再生可能エネルギー事業には当初理解していた以上に多くの収益源があると報告。一過性の持ち株売却益を除外しても、同事業の2024-26年の営業利益が年平均136%の高成長を遂げる見通しを示した。さらに2026年までにフリーキャッシュフローのプラス化を達成するとの見方。再エネ事業の成長加速を反映させる形で、2024-26年の予想純利益を6%、21%、21%増額修正した上で、目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
中間決算発表後の当初の予測では、BOCIは成熟した分散型太陽光プロジェクトの持ち分売却による貢献を織り込んでいなかったが、同社は2024年上期におよそ計100MW相当のプロジェクトの過半数権益(51-60%)を総額1億9,400万元で売却。約4,300万元の売却益を計上していた。さらに売却済みプロジェクト向けに運営・保守サービスを提供し、1,400万元を得た。
同社は今後も、成熟した太陽光発電プロジェクトの過半数権益の売却を続ける方針。BOCIは2024年下期も総容量100MW分のプロジェクト権益をほぼ同水準の価格で売却すると想定している。続く2025-30年に関しては、年間計600MW(前回予想は500MW)の新規プロジェクトを建設し、計300MWの成熟プロジェクトの過半数権益をほぼ同価格で売却すると予想。また、これに伴い、売却したプロジェクト向けに提供する運営・保守サービス収入が、2024年の4,200万元から2026年には2億7,300万元に拡大する見通しを示している。
こうした新たな収益源を太陽光発電業務、エネルギー・炭素管理業務の利益に上乗せすると、たとえ売却益を除外したとしても、再エネ事業の営業利益は2023年の7,700万元から、2026年には約10億元に大きく拡大する見込み。2025年にはフリーキャッシュフローのプラス化も期待できるとした。こうした点を考慮すれば、同社の2026年予想PER(株価収益率)は6.3倍にとどまっており、かなり割安感が強いと指摘している。
BOCIは新たに太陽光発電事業の売却益(2024年に8,600万元、2025年と2026年に各1億2,900万元を予想)と運営・保守サービス収入を反映させる形で、2024-26年の予想純利益を6%、21%、21%増額修正。WACC(加重平均資本コスト)の想定値を6.4%から6.6%に上方修正した上で、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げた。新たな目標値は2024年予想PERで9.5倍に当たる水準となる。
一方、BOCIはレーティング面での潜在リスク要因として、分散型太陽光発電の電力価格が予想を下回る可能性、成熟プロジェクトの売却ペースが予想を下押しする可能性を挙げている。