※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「石破総理はマーケットフレンドリーに、米景気しっかり 日経平均の高値更新はいつ?」
石破ショックから持ち直した日経平均
7日の日経平均株価は、前週末比697円高の3万9,332円でした。石破茂首相がマーケット・フレンドリーな政策方針を表明したことを受けて、「石破ショック」から立ち直りつつあります。
それ以上に、インパクトが大きかったのが、米景気堅調を示す指標の発表です。10月に入って発表された、9月の雇用統計、9月のISM(米サプライマネジメント協会)景況指数が想定以上に強かったことを受け、米景気が冷え込む不安が低下しました。これを受けて、ダウ工業株30種平均が最高値を更新し、ドル高(円安)に戻りつつあることが、日本株の反発に寄与しています。
NYダウ・日経平均の日次推移比較:2024年7月1日~10月7日
9月の米雇用統計強い、米利上げピッチ遅れるとの思惑も
10月4日に発表された9月の雇用統計は、ポジティブ・サプライズ(強くて驚き)でした。非農業部門の雇用者は前月比25.4万人増と、景気好調とみなされる「20万人以上」の増加でした。完全失業率は4.1%と、前月比0.1ポイント低下しました。
雇用が急速に悪化する不安があって9月18日にFRB(米連邦準備制度理事会)は0.5%の大幅利下げを実施しましたが、雇用悪化の不安がやわらいだことを受け、今後の利下げピッチが鈍化する思惑が出ました。それを受けて、ドル高円安が進みました。
米雇用統計:非農業部門の雇用者増加数(前月比):2021年1月~2024年10月
米雇用統計:完全失業率:2021年1月~2024年10月
想定以上に良好だったのは、雇用統計だけではありません。10月4日に発表された9月のISM非製造業景況指数は54.9と、前月比3.4ポイントの大幅改善でした。製造業が50を割り込んでいますが、サービス産業を中心に米景気は堅調であることが示されました。