インデックス投資家のウェルビーイングはどう実感されるか

 実は先月、投資とウェルビーイングについて別所でコラムに書いたところ、インデックス投資家から意見をいただきました。「むしろ、個別企業への応援とか実感とかいった感覚を排するところにインデックス投資家のウェルビーイングはあるのではないか」という意見です。

 アクティブファンドがインデックスを平均的に上回らないとして、その差(手数料の割高さ)を「ウェルビーイングな投資」として納得させる恐れがあるのではないか、それならむしろ毎日マーケットウおッチをしなくてもいいインデックス投資を行い、日々の生活や仕事に専念できるほうがファイナンシャル・ウェルビーイングではないか、というわけです。

 本来、ファイナンシャル・ウェルビーイングがお金の不安解消にあるとしたら、それもそのとおりです。銀行預金よりも高い利回りを期待しつつ、投資に対するリソースを割くことはできるだけ抑える一方、リスクを抑える方法としてインデックス投資は魅力的で合理的な選択肢です。

 だとすれば、インデックス投資家のファイナンシャル・ウェルビーイングに、投資実感を無理に介在させなくてもいいのではないか、と考えることができます。これもまた投資とファイナンシャル・ウェルビーイングの一つのアプローチといえるでしょう。

ファイナンシャル・ウェルビーイングは

 もともと「インデックス派」と「アクティブ派(あるいは個別株投資派)」は投資に臨むアプローチが異なります。長期投資家と短期投資家もまたアプローチが異なります。

 これはどちらかが間違っている、というわけではなく、同じ株式市場をフィールドとしていても、違う手法があることが投資のおもしろさだと考えるべきです。

 そう考えれば、ファイナンシャル・ウェルビーイングをどう感じるかも、両者に違う見方があっていいわけです。

 投資を通じて得られるファイナンシャル・ウェルビーイングについて考えてみましたが、あなたはどちらのウェルビーイングがしっくりくるか、一度考えてみてはどうでしょうか。

 運用方針の違いに着目したウェルビーイングの違いや幸福度獲得の差異などの調査がみつかれば、また紹介してみたいと思います。