今日の為替ウォーキング

今日の一言

人生はその人の持つ勇気の量に応じて、広がりもするし縮んだりもする

Let's Groove

 インフレ期待とは、物価の行方を人びとがどう見るかの予想だ。「インフレ期待が安定」しているときは、物価の上昇が続かないと予想する人が多く、物価上昇の抑制効果がある。しかし、「インフレ期待が不安定」になると、物価の上昇が続くと考える人が多くなり、買い占めや売り惜しみ、あるいは賃上げ要求といった行動が発生しやすく、現実の物価を押し上げ加速させることになる。

 中央銀行の仕事は、金利を調節することによってインフレ期待を安定させ、物価高との悪循環を防ぐことだ。まさに今、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)が行っていることである。

 FRBは1年間で述べ5%を超える利上げを続けることで、ようやくインフレ率をピーク時の半分まで下げることはできた。それでも、依然としてFRBの目標値2%より高い水準にとどまっている。ここままインフレと利上げのデッドヒートが続けば、いずれかの時点で経済が耐えられなくなり、深刻な景気後退が発生するリスクが高まる。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は6月(*2024年6月)の会合で、政策金利であるFF金利を
5.25%から5.50%の範囲に据え置くことを決定した。決定は全会一致で、金利据え置きは7会合連続となる。米国の雇用市場の過熱は続き、インフレの減速は緩やかなままだ。FRBは今年3月に予定していた利下げを半年以上も延期することになった。年内利下げの可能性は残っているが、状況が改善しなければ、利下げではなく、来年は再利上げになるかもしれない。すでにRBA(豪準備銀行)は、インフレ率が高止まりするなかで、8月の「利上げ」を示唆している。

出所:楽天証券作成
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今週の注目経済指標

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