今日の為替ウォーキング

今日の一言

強い者が生き延びたのではない。変化に適応したものが生き延びたのだ- ダーウィン

St. Elmo's Fire

 FOMCは、6月の会合で、政策金利であるFF金利を5.25%から5.50%の範囲に据え置くことを決定した。決定は全会一致で、金利据え置きは7会合連続となる。

 同時に公表された最新のSEP(四半期経済予測)では、PCE(個人消費支出)インフレの予想が上方修正されて、2024年は2.6%(前回2.4%)、2025年は2.3%(前回2.2%)に引き上げられた。また失業率についても、2025年は4.2%(前回4.1%)、2026年は4.1%(前回4.0%)にそれぞれ上方修正された。

 FF金利に関しては、2024年の利下げ回数を、中央値でわずか1回(0.25%)と予想していることがわかった。3月時点は3回(0.75%)だった。利下げなし、あるいは利下げ1回を支持したのは、FOMCメンバーの19名のうち11名を占めた。

出典: Federal Reserve Board

 同日に発表された5月のCPI(消費者物価指数)は予想以上に低下したが、FOMCメンバーは、緩和開始が必要であるという確信に至っていないようだ。このことは、FOMCは今後3回(7月、9月、11月)の会合での利下げを見送り、12月会合まで判断を保留する考えであることを示している。

 もっとも、パウエル議長は。 「ドットチャートは、マーケットに強いシグナルを送る意図はない」と述べ、経済データによっては2回実施する可能性もあると、9月利下げの可能性もゼロではないことを示唆している。

 しかし、パウエル議長が懸念していることは、FRBが利下げに踏み切った場合、それが「利下げサイクル」の開始と受け取られて、金融市場が急速に緩和的な状態になってしまうことだ。早すぎる利下げが、経済のオーバーヒートを引き起こしてインフレ率を2%まで低下させるチャンスを台無しにするリスクが高まるのだ。

出典: Federal Reserve Board

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出所:楽天証券作成