今日の為替ウォーキング

今日の一言

同じタイミングで相場に挑んでも、結果を出せる人と出せない人がいる。それは、相場環境を認識する力が違うからである

Just The Way You Are

 いったんは退職したシニア層やFIRE(経済的自立と早期退職)したミドル層も、新型コロナ禍の後にやってきた猛烈なインフレと高金利のせいで、再就職を検討する人が増えているようだ。

 FIREは、穏やかなインフレと右肩上がりの株式市場という想定で成り立つライフスタイルだから、急激な金利上昇に経済がついていけず、株式市場が本格的なダウントレンドに入る時代になれば、生活水準をこれまでと同じように維持することが難しくなる。最近の米調査によると、退職した人の4分の1以上が、仕事をやめなければよかったと後悔しているそうだ。

 労働力の供給問題は人口学(老齢化社会)にかかわる問題であり、解決には長い時間が必要とされる。

 少子化対策は政治の仕事であって、FRB(米連邦準備制度理事会)にできることはない。
中央銀行にできるのは、金融引き締め政策で景気にブレーキをかけることで、企業に労働力の需要調整を促すことだ。したがってFRBは、労働市場の調整は供給サイドからではなく、需要サイドから行う必要があると考えている。

 雇用の需要サイドを調整(縮小)する場合、失業率上昇は避けられない。しかし、労働者の雇用市場への復帰という景気減速がきっかけとなった供給サイドの調整(拡大)が起きるならば、失業率上昇を回避しながらインフレを抑制することが期待できる。より多くの人々が労働市場に復帰することで労働需給が改善して、インフレの原因となる労働賃金の上昇を抑制できるからだ。

 米国の労働力不足はこのように、景気サイクルや特殊要因によって一時的に緩和される可能性があるが、そのことによって長期的な構造問題が解決されるわけではない。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成