今日の為替ウォーキング

今日の一言

人生はたった1度きり。でも何かを成し遂げることが出来るなら、1度で十分だ

The Living Daylights

 FRBが高金利を長く維持しようとするのは、それが人々に期待されていると思っているからで、「われわれはちゃんと仕事していますよ」というアピールのようなものだ。しかし、金利の影響を受けにくい品目の物価が下がるまで金利を下げないというのは、合理的とはいえない。

 金利上昇がもたらす「不平等な痛み」を放置することは、高所得者層を助ける一方で、低所得者層をより長く苦しめる。それによって生じる不均衡が経済と資産市場を歪める。「より高く、より長く」の高金利政策は、単により高いリスクを意味するだけかもしれない。

 一方で、低金利政策に固執する中央銀行の国で加速するインフレの「痛み」もまた、所得格差が開くほど大きくなる。それだけではなく、インフレの不平等性そのものが、所得の不平等を悪化させている。

 食品や日用品が一斉に上昇するなかで、ナショナルブランド商品よりも比較的安価なプライベートブランド商品を選んだり、普通サイズよりも単価が安い大容量サイズを購入したりして生活費を抑える工夫をしている家庭は多い。

 しかし、貧しい家庭は初期費用を持っていない。5キロの米を買うお金がないからコンビニのおにぎりを買うしかない。割高だとわかっているが、生活の全てにおいて選択肢がないのだ。インフレは、高所得者よりも低所得者により厳しく、貧富の差をさらに拡大させる。インフレの本当の邪悪さはここにある。

出所:楽天証券作成

今週の注目経済指標

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