クイズの正解:景気悪化に比較的強いのは生活に欠かせない業種

 クイズの正解は、第1問はB(医薬品・食品)、第2問はC(コンビニ・食品スーパー)、第3問はF(情報通信・電鉄)です。

【第1問】 製造業と非製造業を比べると、非製造業の方が、相対的に不況抵抗力があります。製造業は、設備を保有していて固定費負担が重いので、売上が減少し、減産や操業停止が始まると、一気に収益が悪化します。電機、機械、自動車などの産業は、景気の影響を受けやすい景気敏感株が多くなっています。

 一方、同じ製造業でも、医薬品・食品は、景気の影響を受けにくいディフェンシブ株がたくさんあります。医薬品・食品は、景気の良しあしにかかわらず、人間が生きていくために必要なものですから、景気悪化局面でも需要の減少が少なくて済みます。

 医薬品は、特許に守られている期間、過当競争になりにくいことも収益の安定に寄与します。世界的な医療費削減の流れから医薬品産業の成長性が徐々になくなってきているのは事実ですが、それでも景気悪化局面の安定性については、高く評価できます。

【第2問】 答えは、Cです。小売業は、業態によって景気悪化の影響が異なります。コンビニや食品スーパーは、景気の影響を受けにくいディフェンシブな業態です。コンビニの売上高の約8割は食品ですので、「食べ物は不況に強い」ということです。

 一方、百貨店や宝飾品店など、高額品で、必ずしも生活必需品ではない商品の取り扱いが多い小売業は、景気の影響を受けやすい景気敏感株となります。

【第3問】 答えは、Fです。情報通信・電鉄は、景気悪化の影響を受けにくい産業といえます。例外は、2020年コロナショックの景気悪化局面です。外出する人が一時的にいなくなった影響で、電鉄の収益が著しく悪化しました。

 ただし、2020年を除けば、電鉄は、生活に必須の公共サービスを提供している産業なので、景気悪化の影響を受けにくいディフェンシブ株です。情報通信産業も、相対的に景気悪化の影響が小さい産業です。その代表はNTT(9432)です。国民生活に必須の通信サービスを提供していることから、景気悪化の影響を受けにくくなっています。

 最後にご参考までに、業種別の景気敏感度を比較したものが、以下の表です。表の上にいくほど、景気敏感株が多い産業になります。下にいくほど、ディフェンシブ株が多い産業となります。

<業種別の景気敏感度>

出所:筆者作成