「配当貴族」や「配当王」の具体的な銘柄を知る
参考情報として、S&P500配当貴族指数の主要構成銘柄(時価総額上位15銘柄:時価総額の降順)を図表3で一覧してみました。長期連続増配銘柄には、高いブランド力で知られている安定成長業種に属する企業が多いことが分かります。
特に、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ウォルマート(WMT)、プロクター&ギャンブル(PG)、アッヴィ(ABBV)、コカ・コーラ(KO)、ペプシコ(PEP)、アボットラボラトリーズ(ABT)、ロウズ(LOW)、S&Pグローバル(SPGI)などは50年以上連続して配当を増やし続けてきた銘柄として「配当王」(Dividend Kings)の称号が与えられています。
日本の東証上場銘柄で「配当貴族」(25年以上の連続増配企業)の名に値する銘柄は、33期連続で増配してきた花王(東証コード:4452)1社のみとなっています。
株式市場全体が下落し、金利上昇で景気の鈍化傾向が懸念されている環境でこそ、「いかなる経営環境に陥っても配当を毎年(毎期)着実に増やし続けてきた実績」を持つ企業群は相対的に物色されやすいと思われます。
こうした配当貴族銘柄について、セクター(業種)を分散しながら複数の銘柄に時間分散していくことは、インカム(配当)の安定的増加を期待しながら長期的な株価の成長を目指すポートフォリオ構築に寄与すると考えています。
<図表3>配当貴族指数の主力銘柄をチェックする
ティッカー | 銘柄名 | 業種名 | 株価 (ドル) | 連続増配 年数 | 予想配当 利回り(%) |
---|---|---|---|---|---|
JNJ | ジョンソン・エンド・ジョンソン | 薬品 | 164.53 | 61 | 2.9 |
XOM | エクソンモービル | 石油 | 107.15 | 40 | 3.4 |
WMT | ウォルマート | 小売り | 158.10 | 50 | 1.4 |
PG | プロクター・アンド・ギャンブル | 消費財 | 153.25 | 67 | 2.5 |
CVX | シェブロン | 石油 | 159.25 | 36 | 3.8 |
ABBV | アッヴィ | 薬品 | 147.08 | 51 | 4.0 |
KO | コカ・コーラ | 飲料 | 60.27 | 61 | 3.0 |
PEP | ペプシコ | 飲料 | 178.12 | 51 | 2.8 |
MCD | マクドナルド | レストラン | 281.87 | 48 | 2.2 |
LIN | リンデ | 産業ガス | 378.35 | 30 | 1.3 |
ABT | アボットラボラトリーズ | 薬品 | 105.13 | 51 | 1.9 |
CAT | キャタピラー | 建機 | 273.03 | 30 | 1.8 |
IBM | IBM | コンピュータサービス | 143.41 | 29 | 4.6 |
LOW | ロウズ | 小売り | 227.19 | 61 | 1.9 |
SPGI | S&Pグローバル | 金融データ | 391.73 | 50 | 0.9 |
*S&P500配当貴族指数を構成する銘柄の時価総額上位15社のみを一覧した *予想配当利回りは市場予想平均 (出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2023年8月23日) |
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