積立投資に必要な二大要素を兼ね備える

 以前の「金(ゴールド)積立、なぜ大暴落が歓迎されるのか?」で述べたとおり、積立投資の収益は「保有数量×最終価格」で計算します(シンプルに考えるため、ここでは諸コストを考慮せず)。保有数量を効率的に増やすためには「価格が安いこと」が欠かせません。同時に、取引を終える「数十年後に最終価格が高くなる」ことも欠かせません。

 以下の通り、足元のプラチナ小売価格(円建て)は比較対象となり得る金(ゴールド)の半値程度でかつ、プラチナ自身の過去の高値よりも大幅に安く、過去の安値よりも若干高い程度です。保有数量を効率的に増やすために欠かせない条件である「価格が安いこと」を満たすと、筆者は感じています。

図:国内大手地金商の小売価格(税抜)の推移(2023年4月は27日まで) 単位:円/グラム

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 また、南アフリカの非民主化進行による長期視点の供給懸念は、長期視点の価格上昇要因なり得ると書きました。そして、西側諸国が進めている「脱炭素」起因の新しい需要(グリーン水素の生成装置やFCV(燃料電池車)の発電装置向けの需要)が長期視点で増える可能性もあり、この点も長期視点の価格上昇要因なり得ると考えます。

 つまりプラチナは、積立投資を効率化するための二つの条件を満たす可能性があるのです。目下、8年ぶりの高値(円建て)に達し、注目を集めているプラチナですが、長期視点の積立投資でも注目に値する状況であると考えています。

 短期・中期・長期、いずれの視点でも、今後のプラチナ価格の動向から目が離せません。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

短期:

・商品先物
国内商品先物
海外商品先物
・CFD
商品CFD

中期:

・関連ETF
SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)
・関連個別株
バリック・ゴールド(GOLD)
アングロゴールド・アシャンティ(AU)
アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)
フランコネバダ・コーポレーション(FNV)
ゴールド・フィールズ(GFI)

長期:

・純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)
純金積立・スポット購入
・投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能)
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド