日本は米国よりも景況が良好

 米国株の上値はまだ重いままと思われます。3月のISM(米サプライマネジメント協会)景況指数で、米景気の冷え込みが懸念された影響も残ります。

ISM景況指数:2018年1月~2023年3月

出所:米ISM供給公社のデータをもとに、楽天証券経済研究所が作成

 一方、日本は相対的に景況が良好です。日本銀行が3日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の景況感を表すDI(業況判断指数)が+1と大きく低下しましたが、まだマイナスにはなっていません。大企業・非製造業DIは+20と高水準です。製造業が低く、非製造業が高いのは米国と同じですが、ともに、米国よりも景況は高い水準です。

日銀短観、大企業製造業・非製造業DIの推移:2018年3月~2023年3月

出所:日本銀行「短期経済観測」より楽天証券経済研究所が作成

日本株の投資判断

 日本株の投資判断は変わりません。日本株は割安で長期的に良い買い場を迎えていると考えています。

 ただし、米景気減速への不安、米利上げが続く不安は残っていることから、一本調子の上昇は見込めないと考えています。時間分散しながら割安な日本株を少しずつ買い増ししていくことが長期的な資産形成に寄与すると考えています。

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