銅も、非民主的な傾向が強まっている

 以下の図は、銅を生産している国々の、自由民主主義指数の状況を示しています。原油、天然ガスと同様、2011年以降、非民主国家が増加、民主国家が減少していることがわかります。

図:銅生産国の状況(自由民主主義指数 0.5以上と0.5未満)

出所:V-Dem研究所およびUSGSのデータをもとに筆者作成

  生産シェアについては、天然ガスと同様、「非民主」が進行していました。2011年以降もこの傾向が継続しています。非民主国家の銅の生産シェアは40%です(2021年)。民主的銅生産国が非民主的になったこと(メキシコ、ポーランド、インドネシアなど)、もともと非民主的な国々(中国、コンゴ民主共和国、ザンビア)の生産量が増えたことなどが原因とみられます。

 銅は西側諸国がその手を緩めない「脱炭素」の要(かなめ)となる金属です。自動車などの分野の「脱炭素」を電子化で進めているためです。電気を通しやすく、加工しやすい銅は電子化、引いては「脱炭素」に欠かせないわけですが、この品目でも非民主化が進行しています。