金(ゴールド)、米雇用統計で短期の価格変動大

 ここからは、短期視点の金(ゴールド)の価格動向に注目します。以下はCFD銘柄の一つ、金(ゴールド)の原資産であるドル建てのスポット(現物)の、2023年2月2日から7日までの価格推移です。価格が短時間で急騰・急落したことがわかります。

図:ドル建てスポット金(ゴールド)の推移(5分足 終値) 単位:ドル/トロイオンス
※時刻は日本時間

出所:Investing.comの資料より筆者作成

 FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文が公開されたとみられる時刻(日本時間2日午前4時30分ごろ)から、2時間でおよそ26ドル(1.4%)も上昇しました。

 当該FOMCでFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げ幅を0.25%に縮小したことを受けてドルが下落、同時にドルと「ほぼ世界共通のお金」という共通点を持つ金(ドル建てゴールド)が上昇、という流れが強まりました(ドル安・金高)。

 同日夜(日本時間2日午後10時30分ごろ)、早朝と逆の動きが発生しました。同時刻に米国で発表された新規失業保険申請件数が、予想および前回よりも強い内容だったことを受け、利上げ継続観測が再燃してドルが上昇、同時に金が下落しました(ドル高・金安)。2時間でおよそ27ドル(1.4%)、下落しました。

 そして翌3日の夜(日本時間3日午後10時30分ごろ)、2時間でおよそ38ドル(2.0%)も急落しました。前日の夜と同様、米雇用統計が強い内容だったことを受け、「ドル高・金安」が進行しました。

 このように、市場が米国の金融政策に強い関心を示している場合、同金融政策の方向性に影響を与える経済指標の発表直後は、ドルや金(ドル建てゴールド)は、乱高下することがあります。

 CFD取引はFXと同様、レバレッジが効いている上(てこの原理により、預けた資金以上の額の資金を動かすことができる)、値上がりで利益が出る「買い」(値下がりは損)、値下がりで利益が出る「売り」(値上がりは損)、どちらでも取引ができるため、こうした短時間の価格急変は、慣れた投資家の皆さまにとっては「投資機会」になるかもしれません。