米国株への長期分散積立投資をシミュレーションする

 年初にあたり、長期的視点に立って「米国株に積立投資(定時定額投資)を実践した場合の累積的成果」を市場実績に基づき検証しました。図表3は、21世紀初頭(2000年初)に3万円を米国株(S&P500総収益指数/円換算)に投資し、その後も毎月末に3万円を継続的に投資してきたケースを示したものです。

 2000年1月から2022年12月まで273回の定時定額投資を実践すると、累計投資額は簿価ベースで819万円(=3万円×273回)だったことがわかります。ドルコスト平均法と複利運用(雪だるま)効果で、投資元本の時価評価額は2022年12月末時点で約3,506万円に膨らんできました。

 これは、時価評価額が累計投資額(累計投資元本)の約4.3倍に膨らんできたことを示します。この間には、ITバブル崩壊(2000年)、リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)、インフレショック(2022年)に伴う景気悪化や株価下落を幾度か挟んできました。

 また、為替市場でもドル/円相場が乱高下した場面も多々ありました。長期投資を実践する間に、株価や為替が短期的に大きく変動するケースは珍しくありません。ただ、円換算した米国株が、預貯金はもちろん確定利回り証券や日本株のリターンを大きく上回り、資産を増やすことができた市場実績がわかります。

 図表3で示したシミュレーションは、円換算の米国株に定時定額投資を続けた場合の長期的な資産形成効果を検証したものとしてご注目いただきたいと思います。

<図表3>円換算した米国株への長期積立投資の検証

*2000年初から毎月末に3万円ずつをS&P500総収益指数(円)に定時定額投資した場合を検証したもの。
(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2000年初~2022年12月末)

▼著者おすすめのバックナンバー

2022年12月30日:ゆく年くる年:世界株式は2023年に陽転するか
2022年12月23日:先取り!米国株の「ダウの犬」投資戦略。高配当上位10銘柄の成績は?
2022年12月16日:不景気の株高?2023年の米国株見通しと投資戦略