LNGの利用拡大が地球環境にとって重要と考える理由

 今の地球上には、まだ活用されずに捨てられている天然ガスが大量にあります。

 中東の油田では、原油を採掘する際に、出てくる天然ガスを今でも大量に燃やして捨てています。それを、全てLNGに変えてもれなく活用することが、地球環境にとって重要です。

 油田で出てくる天然ガスをパイプラインで運べる範囲だけで使うのでは、もれなく活用することはできません。LNGに変換して、世界中に運ぶ必要があります。ところが、世界中のほとんどの国でそれがまだできていません。

 世界では、天然ガスはパイプラインで運べる範囲だけで使うのが普通です。天然ガスをLNGに変換して運び、貯蔵し、使用するのには、かなりの設備投資とコストがかかるからです。

 ただし、それをやっていかなければ、地球上のガスが無駄に捨て続けられる問題は解決しません。

 LNGの活用が進んでいるのは日本や韓国です。特に日本企業は、LNGの技術が進んでいます。今後はLNGおよびガス火力発電で高い技術を持つ日本企業に、大いに活躍の場があると予想しています。

 日本の大手総合商社(三菱商事・三井物産など)は、LNG事業で高い実績を持っています。また、日本の大手プラント建設会社(日揮・千代田化工など)は、LNGプラント建設で高い技術と実績を有します。こうした企業に期待が高まります。

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