債券投資で大切なこと:利回りに強くなる

 それでは、ここから債券投資の基礎を解説します。最初に、債券投資で知っておかなければならないことを二つ、お伝えします。

【1】利回りが高ければ高いほど、良いわけでない。
【2】適切な利回りの債券、つまり、どういうリスクがあるか理解できる債券に投資することが大切。

 日本の個人投資家に「利回り」という言葉に弱い方がたくさんいます。「利回り」というと、無条件で「確定利回り」と誤認してしまうようです。

 そういう方が債券に投資する際、「利回りは高ければ高いほど魅力的」と感じてしまう傾向があります。

 高い利回りの債券には、それに対応するリスク【注】があります。詳しい説明は割愛しますが、利回りの高い債券には、それ相応に元本割れになるリスクがあるということです。

【注】債券投資のリスク
信用リスク(信用が低下すると価格が下がるリスク)、金利上昇リスク(市場金利が上昇すると価額が下がるリスク)、流動性リスク(売却したい時に売却できないリスク)、繰り上げ償還リスク(繰り上げ償還に当たった時に損失が発生するリスク)などがあります。外国債券では、為替リスク(円高になると償還元本が目減りするリスク)もあります。

 日本の10年国債利回りは日本銀行のイールドカーブコントロール政策によって、ほぼゼロ近辺に固定されています(11月16日現在0.24%)。

 債券投資で安全性だけ重視して投資すると、利回りはほぼゼロということです。利回りゼロでは投資する意味がないので、何らかのリスクを負って利回りが得られる債券に投資すべきです。

 どういったリスクがあるか理解できる商品に投資していくことが大切です。