11月の株主優待銘柄

 11月の優待株は権利付き最終日が11月28日(月)、権利落ち日が翌29日(火)。11月30日(水)が権利確定日。土日を挟まない最短日数です。

 優待権利を獲得するには、11月28日(月)までに優待株を購入し、翌29日(火)朝まで保有することが条件になります。

 11月優待は10月の29銘柄※より少し増えて32銘柄※。

※楽天証券 株主優待検索より

 食品会社の自社商品、雑貨ショップの高額買物券の他、戸建て住宅、マンション開発会社などのクオカード優待も目立ちます。

 人気8位以下では、

  • 串カツ田中ホールディングスの食事券(11月末に100株で2,000円分の電子チケット食事券)
  • バイク買取業・バイク王&カンパニーの買物割引券など(11月末に100株以上で一律、バイク購入1万円割引券、ECサイトのポイント1,000円分など)
  • 食品メーカーアヲハタの自社商品(11月末に100株で1,000円相当のジャム、トーストスプレッドなど)
  • 回転ずしチェーン・銚子丸の飲食券(11月15日・5月15日の中間期・決算期末に100株で500円分)
  • 東海地方などで業務用スーパー「アミカ」を展開する大光のクオカードなど(11月・5月末に100株でクオカード500円分。未使用のクオカードを「アミカ」に持参すると1,000円分の商品券と交換)

などが、優待ファンの間で注目度の高い銘柄といえるでしょう。

 そんな11月優待株の人気1位は食品メーカーのキユーピー。11月末、半年以上の継続保有で100株の場合、1,000円相当の自社グループ製品が贈呈されます。

 定番のマヨネーズの他、ドレッシングやパスタソースがもらえて、食費の節約に。

 3年以上継続保有すると、1,500円相当にグレードアップします。

 同社は食生活に欠かせない企業ということもあり、業績も株価も比較的安定。

 2022年のような下げ相場でも株価が下落しにくい「ディフェンシブ株」に属する点も魅力です。

 原材料費高騰もあって、2022年11月期は増収減益予想。

 ただ、配当利回りも2%超まで上昇してきたので、長期保有して優待ランクアップを狙うのもいいでしょう。

 第2位は若者に人気の雑貨店を展開するヴィレッジヴァンガードコーポレーション。11月末に100株以上保有で一律、買物券1万円分が贈呈されます。

 利用条件は2,000円の買物ごとに1,000円券1枚を利用可能。1年以上2年未満の継続保有で1,000円増額になるなど、継続保有優遇もあります。

 100株の投資金額10万円台に対して1万円分の優待券なので、高額優待の一つとして根強い人気があります。同社の店舗をよく利用する人には、ありがたい優待です。

 第3位は医薬品、化粧品メーカーのアステナホールディングス。11月末に1年以上、100株を継続保有で、3,000円相当の美容品など自社商品、1,000円相当の奥能登の特産品など、カタログから1品選べます。

 同社もディフェンシブ色の強い財務優良企業。配当利回りが4%を超えており、高配当株としても魅力が増していることもあって、2021年より人気順位が上がりました。

 第4位は戸建て住宅メーカー・タマホーム。11月末・5月末に100株以上保有で一律に500円分のクオカードが贈られます。3年以上継続保有すると1,000円分に増額されます。

 第5位は関西地盤の分譲・投資用マンション開発のサムティ。11月末に200株(投資金額約45万円)保有で、同社が関与する全国各地のホテル無料宿泊電子チケットが1枚もらえます。1枚で宿泊できるのは「センターホテル東京」「エスペリアホテル京都」など全国12ホテルです。

 第6位は事務用品などの通販会社・アスクル。年2回、100株以上保有で一律、同社ネット通販サイト「LOHACO」の割引クーポン2,000円分が送付されます。優待権利確定日は11月20日、5月20日なので注意しましょう。生活必需品優待ということもあり、2021年より順位が上がりました。

 第7位は製紙用の網など工業製品メーカーの日本フイルコン。11月末に100株を1年以上継続保有でクオカード500円分が贈られます。同社で人気の優待は200株(投資金額約9万円)を1年以上保有したときにもらえるワイン1本。少額投資でもらえるワイン優待として人気です。

 同社も株価が安定しており、財務状況も良好で、配当利回りが3.5%を超える高配当株です。

 第8位はマンション工事会社のファーストコーポレーション。 11月末に500株以上(投資金額約36万円)を1年以上継続保有すると、クオカード2,000円分が贈呈されます。

下げ相場はディフェンシブ優待株で乗り切る

 2022年は下げ相場が続いています。

 そんなときは経済が好不況にかかわらず安定した需要があって、業績変動にあまりブレのない「ディフェンシブ株」に人気が集まります。

 今回、11月優待で人気1位になったキユーピーなど食品株、人気3位の医薬品メーカー・アステナHLDGなどはディフェンシブ株の一角といえるでしょう。

 その他、鉄道会社や電力・ガス会社も不況に強い業種です。

 鉄道会社では、東日本旅客鉄道など鉄道運賃割引優待のある会社もあります。

 新ディフェンシブ株として注目したいのは、携帯キャリアなど通信会社、薬や日用品販売で店舗拡大の続くドラッグストア株です。

 優待株でも人気の高いKDDIがその典型例。

 またドラッグストア・薬局株には、11月優待のファーマライズホールディングス(11月末に100株を1年以上保有で自社商品券2,500円分などから1点選択)、コスモス薬品(11月末・5月末に100株以上1年未満の保有で、買物優待券5,000円分かおこめ券10kg分)、また5月優待のツルハホールディングス、クリエイトSDホールディングス、3月・9月優待のマツキヨココカラ&カンパニーなどがあります。

 コスモス薬品の必要投資金額が約140万円であるように、優待取得に高額な資金が必要なことの多いドラッグストア株ですが、それは株価が高値まで上昇している証拠です。

 下げ相場は、不況に強く、生活に役立つおトクな優待がもらえるディフェンシブ優待株で乗り切る。そんな発想を持つことも必要といえるでしょう。