引き続き石油・天然ガス関連株は強基調を維持か

 エネルギー関連企業の株価は足元、「買わない西側・出さないロシア」、欧州における需給ひっ迫を背景とした天然ガス価格の高騰を受け、堅調に推移しています。また、欧米で発生している事情(既述)が解消すれば、原油価格が反発し、株価動向の堅調さがさらに増す可能性があります。

 原油については、中期的には「ESG」の「S」の観点から、EUにロシアのエネルギー供給が戻らず、強い供給減少懸念が浮上し、価格が上昇する可能性があります。

 西側諸国の間で、(仮に危機が沈静化しても)蛮行を繰り返したロシアとはビジネスを再開しない、という姿勢が目立つ可能性があるためです(ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字。近年、企業活動の監視項目、国連が提唱するSDGs(持続可能な社会をつくるための17のゴール)を達成するために有用な考え方)。

 長期的に見れば、「脱炭素」起因で、主要産油国の多くで「投資不足」が蔓延(まんえん)し、供給減少懸念が強まる可能性があります。同時に、「脱炭素」起因で発生した需要減少をきっかけに「量」の点で収益が減少した産油国らが、「単価」の点で収益を維持するべく、さまざまな策を講じて原油価格を上昇させる策を繰り出し続ける可能性があります。

 短期的には、6月以降続いているように「金融政策および選挙対策との整合性」を取ろうとする動きによって、欧米時間に下落する場面があるかもしれませんが、年末、それ以降(長期的に)、供給が減少し続け、市場に上昇圧力がかかり続ける可能性があります。

 関連企業の株式についても、エネルギー価格につられるように、長期的に見て、上値を伸ばす可能性があると、現時点では考えています。

図:原油市場の期間別、上下材料

出所:筆者作成

[参考]石油・天然ガス関連の具体的な投資商品例

国内株式

INPEX
出光興産

国内ETF・ETN

NNドバイ原油先物ブル
NF原油インデックス連動型上場
WTI原油価格連動型上場投信
NNドバイ原油先物ベア

外国株式

エクソン・モービル
シェブロン
オクシデンタル・ペトロリアム

海外ETF

iシェアーズ グローバル・エネルギー ETF
エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド

投資信託

UBS原油先物ファンド
米国エネルギー・ハイインカム・ファンド
シェール関連株オープン

海外先物

WTI原油(ミニあり)

CFD

WTI原油