なぜ7-9月に4.6兆円もの再評価益をあげられるのか

 ソフトバンクGが保有するアリババ株に巨額の含み益があることは、かねてからわかっていたことです。これまでもアリババ株を少しずつ売却することで巨額の利益を計上してきました。ただ、巨額の含み益のほとんどは、含み益のまま温存してきました。

 今回4-6月で3.1兆円もの巨額損失を計上したため、財務面の守りを固めるために、保有するアリババ株の含み益を全て実現益とする決断をしたと考えられます。

 利益計上の仕組みについて、詳細は割愛しますが、ざっくり説明すると以下の通りです。

  1. ソフトバンクGは保有するアリババ株の一部を株式先渡売買契約の現物決済に充当(売却益計上)。
  2. ソフトバンクGによるアリババ株の保有比率は23.7%から14.6%に低下。
  3. 保有比率低下によりソフトバンクGの関連会社だったアリババは関連会社から外れる。
  4. 保有を続ける14.6%について関連会社から外れることにより時価会計が適用される(再評価益を計上)
  5. 【1】の売却益と【4】の再評価益を合わせて7-9月に税前利益に約4.6兆円の貢献。