主治医ら、目先3カ月強は景気鈍化を示唆

 アルミニウムも「ドクター」になれると書きました。以下は、主治医である「銅(カッパー)価格」と、セカンドオピニオンの担い手である「アルミニウム価格」の推移です。

図:アルミニウムと銅価格の推移(LME現物 月間平均)※1960年1月を100としている

出所:世界銀行、QUICKのデータをもとに筆者作成

 諸問題はあるものの、現在のドクターたちの「下落」が景気後退を示していると仮定します。「ドクターたちがどれくらいの期間、下落し続けるか」を推測することで、景気後退懸念が継続する期間を推測します。これにより、いつごろ、景気後退懸念が収束するのかのイメージが見えてきます。

 銅は三つ、アルミニウムは一つ、下落のめど(長期視点の安値)があります。上図のとおり、銅はコロナショック後、逆オイルショック※後、リーマンショック後、アルミはコロナショック後です。※世界的な景気鈍化のきっかけになった原油相場の急落・低迷。2014年末に発生。

 直近3カ月間の下落のペース(銅は毎月約884ドルのペース、アルミニウムは毎月約282ドルのペース)で下落し続けた場合、銅価格はコロナショック後の安値に2.8カ月、逆オイルショック後の安値に3.4カ月、リーマンショック後の安値に5.1カ月で到達します。

 同様に、アルミニウムはコロナショック後の安値に3.2カ月で到達します。主治医とセカンドオピニオンは、「目先、3カ月強は景気後退懸念が続く可能性がある」と言っているわけです。