今後の展開

 今後については、このままではインフレは鎮火するどころか加速していきかねず、放っておけば10%を超えそうだというところで、FRBが大きくかじを切るのではないかと考えている。

 すなわち、それまで株式市場や中間選挙に配慮して慎重な利上げを行っていたFRBが、このままでは家計やドルの信認を保てなくなりかねないと、今以上に厳しい利上げに踏み切り始めるのではないかと考えている。

 その際は、株式市場が大きく崩れ、BTCも影響を免(まぬか)れないと考えているが、それはだいぶ先の話で、しばらくの間はインフレヘッジが再燃、BTCは底堅く推移するものと考える。

 可能性が低いシナリオではあるが、この政策転換をFRBが行わず、インフレが10%を超えていくのを放置していく場合、もしくは転換が遅すぎて手遅れになってしまうような場合は、ドルの信認低下によりBTCは大きく上昇すると考えている。

ビットコイン4月予想:上値のメド

【表2】月別BTC騰落表

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 最後にアノマリーだ。3月は1年で最も弱い月だったが、4月は一転して最強月の1つだ。その3月でも相場は切り返すなど地合いは強く、4月はさらなる上昇が見込まれる。

 上記のように実質金利が歴史的なマイナスとなる中、米インフレは4月以降加速していく可能性が高く、BTC相場の大きな下支えとなりそうだ。

 まず上値のメドは昨年11月からの下げの半値戻しの5万1,000ドル(ドル/円125円計算で約640万円)、フィボナッチの61.8%戻しの5万5,000ドル(同約690万円)辺りが戻りのメドか。

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2月17日 米大統領、ロシアが数日中にウクライナ侵攻    
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1月31日  春節の連休入り(大みそか)。例年BTCが強い時期
1月26日 プーチン大統領、中銀の暗号資産禁止に同意せず
1月20日 ロシア中銀が暗号資産の*マイニングと流通の禁止を提案

*マイニングとは:暗号資産(仮想通貨)は一般的にブロックチェーンと呼ばれるネットワーク参加者が誰でも見られる元帳上に取引を記録していきます。そのブロックチェーン上に取引データを記録する際に、膨大な計算を行うことで新たなブロックを生成する暗号を見つけ出し、その報酬としてコインを手に入れる行為のことです。マイニングの主な役割は「暗号資産の新規発行」と「取引の承認」です。

**暗号資産融資プラットフォームBlockFi(ブロックファイ)が提供する暗号資産を預かって利息を払うサービス(レンディング)が証券法に違反したと提訴された事件に関する和解として、SEC(米国証券取引委員会)に1億ドル(約115億円)を支払うと発表。

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