注目株2:中国建築国際(03311)

 中央系国有企業で不動産開発、グローバルにインフラ建設事業を展開する中国建築(上海A株601668)のグループ企業です。1979年の設立当時は香港地区での建設業務だけを行っていたのですが、その後、本土の事業部門も傘下に組み入れています。

 地域別売上高(2021年6月中間期)では本土が57%、香港・マカオが43%です。本土では土木や、保障性住宅、病院、学校などの建設といったインフラ建設業務が中心です。香港・マカオでは大規模病院、マカオのカジノセンターなどの大型建設プロジェクト、外壁工事などを行っています。

 2021年12月期の業績見通しは19%増収、8.0%増益、2022年12月期の見通しは16%増収、14%増益です。ウエートの大きな本土事業が当局の積極財政政策の恩恵を受け、業績好調が続くと予想します。

 不動産開発について、当局が積極的に拡大を進めている保障性住宅や、賃貸向け住宅の事業ウエートが大きい点に注目です。

中国建築国際の月足

期間:過去5年(2017~2022年2月18日)
出所:楽天証券ウェブサイト

 業績の回復を織り込んで、株価は2021年12月の安値から倍返しとなっていますが、まだ2015年の高値までは50%程度の上昇余地があります。

注目株3:中国中車(01766)

 旧鉄道部の北車集団、南車集団が2015年6月に合併してできた世界最大規模の鉄道車両メーカーです。国内外の悪性な市場競争を排し、研究開発費の無駄を省き、一帯一路戦略の主要なプレーヤーとするため、国家が合併を主導したといった経緯があります。

 部門別の売上高(2021年6月中間期、以下同様)では、貨物車、高速鉄道用車両などが40%、地下鉄車両、地下鉄駅設備などが24%、風力発電設備などが33%、リース、物流などのサービス業が3.0%です。また、輸出は10%です。

 2021年12月期の業績見通しは3.0%増収、利益は横ばい、2022年12月期の見通しは8.0%増収、12%増益です。大規模な鉄道網計画が一段落していることもあり、需要は安定成長です。地政学的リスクが高まっている中、どの程度海外部門を伸ばせるのかに注目です。

中国中車の月足

期間:過去5年(2017~2022年2月18日)
出所:楽天証券ウェブサイト

 業績は安定成長が見込まれることもあり、株価は値固め中です。過去5年間の株価水準からみれば安いところにあり、当局のインフラ投資拡大戦略の内容次第では、株価に動きが出てきそうです。