サプライズ3:米国雇用統計の大幅上方修正

 そして3つ目のサプライズは2月4日(金)の米国雇用統計です。NFP(米雇用統計の非農業部門雇用者数)が予想(12.5万人)を大きく上回る46.7万人と発表されたのです。さらにNFPの過去2カ月分も70.9万人と大幅に上方修正されました。

 11月分39.8万人の上方修正、12月分31.1万人の上方修正は、驚きの数字です。1月の雇用統計では例年通り新しい人口推計が用いられるため、昨年12月の数値とは連続性がありません。しかし、オミクロン株の感染拡大にもかかわらず、堅調な結果となりました。

 米雇用統計サプライズ後の反応はどうだったでしょうか。ドル/円が最も大きく反応しました。ドル/円は114円80銭台から115円半ばへと上昇したものの、ユーロ/円、ポンド/円はサプライズによって上昇した前日3日の高値を上抜けることができませんでした。

 米雇用統計のNFPは季節調整のモデル変更が影響していたとしても、賃金上昇も合わせ、FRB(米連邦準備制度理事会)の3月の0.50%利上げの見方を高めたようです。

 しかし、1月のタカ派寄りのFOMC(米連邦公開市場委員会)の後、一部のFOMCメンバーからタカ派姿勢がやや緩和された発言がみられたことから、雇用統計後にドル高・円安が一段と進んだ動きとはなっていません。

 今週10日(木)には米国CPIが発表されます。12月CPIは前年比+7.0%と39年ぶりの大幅な上昇率となりました。

 1月の予想はこれを超える予想となっていますが、織り込まれていることから相場はあまり反応しないのか、あるいは3月の0.50%利上げをさらに一歩近づけたとマーケットが反応するのかどうか注目です。